2013 Fiscal Year Annual Research Report
統計的信頼度の高いネットいじめ尺度作成と国際比較研究
Project/Area Number |
23730605
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
青山 郁子 東京福祉大学, 心理学部, 助教 (60586808)
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Keywords | ネットいじめ / いじめ / 国際比較研究 |
Research Abstract |
本研究では、若者のネットいじめの実態と従来のいじめとの関連を様々な側面から調査した。研究目的の一つである信頼性、妥当性の高い尺度の作成に関しては前年度に取り終えた日本とアメリカの中学生のデータは分析が終了している。因子分析の結果、ネットいじめと様々なタイプのいじめ(言語的、身体的、関係性いじめ)に共通する因子構造を明らかにした。またネットいじめ、いじめの日米の文化の違いも見られた。日本国内ではネットいじめよりも従来型の対面式いじめの方が加害被害ともに頻度が多く、確証的因子分析でも、この部分の適合度は低いことが明らかなった。しかし、ネットいじめが中学生の間でマイナーな問題であるとは言えない。データを取った年には普及していなかったLINEなどによる新たな問題も近年深刻化しており、別の視点での調査も今後さらに必要となるだろう。 論文は執筆途中であるが、完成し次第、今年度以降に学会で発表し、ジャーナルに投稿される予定である。 また最終年度は高校生のネットいじめ、その他のネットにまつわる問題(依存的使用)を自尊感情、仮想的有能感の観点から心理背景を検討した。その結果、4つの仮想的有能感タイプとネットいじめ経験、ネット依存傾向に有意な差が見られた。本研究の成果は今年度の日本教育心理学会にて発表予定である。 その他H25年度の成果としては、<教育と社会>研究にて2本の論文を発表し、過去数年の国際的なネットいじめ研究の流れを体系的にまとめ、子どもたちの支援のあり方を検討した。また書籍「家庭や学級で語り合うスマホ時代のリスクとスキル:スマホの先の不幸をブロックするために」(北大路書房)内でコラムを執筆した。
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Research Products
(7 results)