2012 Fiscal Year Research-status Report
不登校予防要支援児童生徒への学級状態に応じた学校活動状況を支援する方法の構築
Project/Area Number |
23730610
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
五十嵐 哲也 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (90458141)
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Keywords | 不登校傾向 / 登校義務感 / 学級状態 / 学習方略 / 自己効力感 |
Research Abstract |
本研究では,登校しながらも学校に行きたくないと感じている児童生徒に対し,その学校活動状況の特徴を「学習」の観点から把握することを目的としている。その上で,「学習」のいかなる側面に対して援助することが,「登校したくない気持ち」を低減させるのかを明らかにすることが最終的な目的である。 当該年度においては,前年度に作成した「小中学生共通用・不登校傾向尺度」ならびに「小中学生共通用・登校義務感尺度」をもとにして,①それらの組み合わせから課題となる児童生徒を特定すること,②それらの組み合わせから課題があると考えられる児童生徒の「学習」の特徴を検討すること,③以上について,個人のみならず学級の状況も踏まえた検討を行うこと,の3点を主に目的とした調査研究を実施した。具体的には,4つの公立小学校・計15クラスの4~5年生,ならびに2つの公立中学校・計23クラスの1~2年生に対し,「小中学生共通用・不登校傾向尺度」「小中学生共通用・登校義務感尺度」ならびに「ストレス反応尺度」「学習への自己効力感尺度」「学習方略尺度」から成る質問紙調査を実施するとともに,標準化された学級状態の測定検査を実施した。 その結果,全般的に学級満足感が高い方が不登校傾向は低く,登校義務感は高いということや,特定の学習スタイルと特定の不登校傾向タイプとの間に関連が見いだされる傾向があった。これらの点についてさらに詳細な検討を進めることにより,不登校への予防的支援の一環として,学習支援の有効性を検証でき,その具体的方法を明らかにすることができるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画の段階で,一番に危惧されていた「追跡調査への協力校」が確保でき,既に一部について開始できている。次年度以降への協力についても書面にて確認が取れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,現在の追跡調査をさらに進め,年度をまたいで学級や担任教員が変化した場合,不登校傾向やそれを取り巻く関連要因がどのように変化するのかという点を明らかにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査実施のために,標準化心理検査の購入をはじめとする相当の物品費が必要となる他,そのデータ入力補助等の謝金が必要となる。また,研究成果を発表し,研究計画を精錬するための学会参加等の旅費ならびに参加費等の使用を見込んでいる。
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Research Products
(5 results)