2011 Fiscal Year Research-status Report
学習と動機づけの自律化プロセスと学習支援ニーズの多様性に関する研究
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23730612
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
伊藤 崇達 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (70321148)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 学習支援ニーズ / 動機づけ / 自律化 |
Research Abstract |
平成23年度の研究の大きな目的の1つは,学習支援ニーズに関する議論を整理し,理論化を図ることであった。まず,学校心理学や社会教育の領域などで行われてきている議論を検討し,子どもの学習支援ニーズを捉える図式について提示した。"Felt needs"/"Normative needs"(e.g. Griffith, 1987; Pearce, 1995),"Expressed needs"/"Inferred needs"(Noddings, 2003),支援者によるニーズの把握の有無/学習者によるニーズの自覚の有無の2次元の図式などをふまえて,支援を要する仮想の事例をもとにした調査と保護者を対象とした調査について検討を行った。自己調整学習の理論をもとに,質の高いニーズへの転換を図ること,ニーズが生成されてくる心理的プロセスをふまえた学習支援の必要性について指摘をした。 次に,ニーズをふまえた学習支援のあり方について示唆を得るために,支援に関するニーズと評価のズレに着目した検討を行った。研究の目的としては,親による動機づけ支援に関して青年期の子どもがどのようなニーズと評価をしており,両者のズレによって自律的動機づけに違いがみられるのかについて検討を行った。全体としてみると,母親と父親のいずれの支援もニーズに対して評価が上回っていた。また,「関与」よりも「温かさ」,これらよりも「自律性支援」が重要であることが示された。両者のズレに関しては母親も父親も「自律性支援」と「温かさ」においてニーズを満たしていない「-」群で自律的動機づけが低いということが明らかとなった。以上の成果は2本の論文としてまとめており,学習支援ニーズを出発点とした学習支援研究の今後の可能性と方向性について示唆を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概念的な検討について1本の論文としてまとめ,また,支援ニーズに関してデータに基づく検討を行った結果を1本の論文としてまとめた。研究計画は,おおむね問題なく進行していると考えている。2件の学会発表を行い,2件の図書の執筆を通じて研究成果の一部を公開するよう努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度も調査を計画しており,すでに準備を進めているところである。研究協力を求める依頼先との調整を速やかに進めるようにする。学会発表や研究会の報告も計画しており,着実にその成果を公表していくようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度では,遠方で開催された学会への参加や資料収集のために旅費に多くを支出した。24年度にも,資料収集及び成果を発表するために多くの学会や研究会に参加する必要があり,また,高度な統計処理を行うため最新のソフトウェアやPCなどの物品を購入する必要がある。「次年度使用額」の予算と合わせて本年度も適正かつ効率的に執行していく。
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Research Products
(6 results)