2015 Fiscal Year Research-status Report
キャリア志向の女性における母親としての発達―「母性愛」信奉傾向との関連―
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23730616
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
江上 園子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (10451452)
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Project Period (FY) |
2013-02-01 – 2019-03-31
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Keywords | キャリア志向 / 「母性愛」信奉傾向 / 多重役割 / インタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の前半は育児休業期間であり、後半に復帰してからも中断期間であったため、具体的な研究実績をあげることはできなかった。しかし、平成28年度4月に予定されている「日本発達心理学会第27回大会」においてラウンドテーブルを企画し、研究発表も行うことから、その準備を行った(企画者と話題提供者を担当した)。ラウンドテーブルは「子育て中の親における仕事と家庭の主体的調整―“母親”または“家族”イデオロギーを超えて―」というタイトルであり、働きながら子どもを育てることが困難なわが国で、父親と母親がどのような葛藤を抱え、どのように主体的に対処しているかについて実際のデータを用いて議論するものであった。この企画の中で、「多重役割とキャリア女性―キャリア志向と「母性愛」信奉傾向の観点から―」という内容で話題提供を行うこととした。本話題提供では、キャリア志向を持ちつつも「母性愛」信奉傾向の高い母親を抽出し、その母親たちが具体的にどのような葛藤を抱えているのかについて明らかにする。そしてそれらの葛藤について個人がどのように折り合いをつけているのか、また、葛藤があっても多重役割を引き受け続けるのはなぜなのか、あるいは、葛藤がない母親もいるのかどうか、それはなぜか、ということについてインタビュー調査から記述的に探っていく。この話題提供による発表によって、キャリア志向を持ちつつ「母性愛」信奉傾向も抱いている母親の実態が見えてきたことから、次年度以降の大規模なアンケート調査でそれらの母親の実際の育児行動や親としての発達について研究していく際に着目すべき点が明らかになったことが大きな成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中断期間であっても、次年度以降の研究発表の準備や論文の精読などを行うことができたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、研究を本格的に再開したい。そのため、大規模な縦断アンケート調査を行うための質問紙を完成させ、継続的な協力者の募集に努める。
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Causes of Carryover |
育児休業期間と復帰後の中断期間であったため、助成金を使用することができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に使用できなかった助成金は、すべて次年度の研究に充てる。具体的には、大規模な縦断アンケート調査を予定していることから、その分析に耐えうるパソコン、統計ソフトの購入、消耗品や記録媒体の購入、専門書の購入、そして研究成果の発表のための学会出張費などに充てる計画を立てている。
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Research Products
(1 results)