2013 Fiscal Year Annual Research Report
学校不適応者のウェルネスと自然体験活動のグループダイナミクス効果に関する研究
Project/Area Number |
23730626
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
木村 文香 江戸川大学, 社会学部, 講師 (70424083)
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Keywords | ウェルネス / グループダイナミクス / 発達障害 |
Research Abstract |
本研究の目的は、学校不適応の子どもを対象とした自然体験活動によるグループワークがもつ効果を探り、効果的な学校不適応の対応策のあり方に関する提言をまとめることである。その際、生活習慣、情緒、対人関係の3つの要素を含むwellnessに注目し、その増進を通じて社会的自立を促す方略を確立することを目指す。 平成25年度は、前年度に整理した自然体験活動の効果と問題点、および対応プログラムのパイロットスタディとしての実施とその効果測定の結果を活かし、長期的な効果をもたらすことのできるプログラム、および短期的あるいは中期的に得られた効果を、持続させるシステムを構築するための方略を検討した。この検討の際には、児童精神科医、野外教育、保健福祉の各研究協力者の立場からみた問題点やwellnessに関する効果を反映させた。効果測定にあたっては、24年度のプログラムへの参加者の一部を継続して調査対象とし、長期的なwellnessの効果と日常生活における質的な変化を、月2回程度のグループ活動の中での本人の行動観察や家族へのインタビュー、主治医からの情報、学校での様子をもとに質的に検討した。参加者は、小学生、中学生、大学生であり、発達障害の診断を得ている者も含む。このような本人や家族、また本人達をとりまく様々な立場の支援者からの情報共有の場を、本人をも含めた連携の場と捉え、効率的に情報交換ができるシステムの検討を行った。 共有された情報を基に詳細なアセスメントを行い、24年度に実施したちょうど1年後に宿泊を伴う自然体験活動に参加してもらい、その宿泊の際のグループダイナミクスと、参加者個人のアセスメントを行った。その結果から、得られたwellnessの効果を、月2回の継続的なグループワークを用いた活動で持続させることができていたことを確認し、さらにこのようなシステムが一般化可能であるとの示唆を得た。
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Research Products
(3 results)