2013 Fiscal Year Research-status Report
児童・生徒の主体的な競争を促進する教師の指導態度に関する研究
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23730633
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
太田 伸幸 中部大学, 現代教育学部, 准教授 (40367628)
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Keywords | 競争 / 競争心 / 教師の指導態度 / 自発的な競争 |
Research Abstract |
現実に競争を求められる状況は多々存在するが,これらの場面で「主体的に」競争が行えるようにするためには,教師の競争に対する態度や信念の形成を促す働きかけが与える影響が大きいと考えられる.平成24年度までに研究において,教師の競争に対する指導態度・指導行動について探索的な検討を行い,勝敗にこだわるのではなく,その過程における動機づけや成長について競争を肯定的にとらえる態度の存在を指摘した. そこで平成25年度は,平成24年度までに実施した調査データを用いて教師の競争場面における具体的な指導行動に注目し,教師の指導態度に対する考察を行った.自由記述データについて授業場面における競争の内容を5種類,その場面における指導内容について9種類に分類し,競争心の類型ごとに集計した.その結果,どの類型においても課題やゲームなどの優劣が分かりやすい事柄が競争場面としてあげられているが,指導内容には教師自身の競争心の類型により違いが認められた.手段型競争者の教師は「対人関係維持」が他の2類型よりも割合が高く,「勝敗以外の目標」が低かった.これは,過程を重視する手段型競争者は,結果を意識することによる影響に配慮した指導を行っており,結果を重視する「目標型競争者」「消極型競争者」は,勝敗以外にも注目させる指導を行っていることを意味すると考えられる.すなわち教師自身のが持つ競争に対する態度を基準に指導内容が決定されているととらえることができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年度の研究計画では教師に対する調査と小・中学生に対する調査の両方を実施することにしていたが,教師対象の調査データの再分析および調査計画の再検討,調査の追加実施を進めたため,小・中学生に対する調査を困難となり,平成25年度中に研究を終了する予定であったが平成26年度まで研究を延長することとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度中に実施する予定であった教師対象のWeb調査,および小・中学生を対象とした調査を実施する.小・中学生を対象とした調査では質問紙調査に加え観察調査も実施する予定である.観察調査に関しては現時点で調査協力校を確保できていないため,今後確保の見通しが立たない場合は調査計画を変更して質問紙調査を複数回実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究計画では,教師に対する調査と小・中学生に対する調査の両方を実施することとしていたが,教師対象の調査結果の再分析および調査計画の再検討,調査の追加実施を進めたため,小・中学生に対する調査が困難となり,その調査費用として計上していた予算の執行が難しくなり未使用額が発生した. 主に小・中学生を対象とした調査の実施費用として使用する.調査では質問紙調査に加え観察調査も実施する予定のため,観察用機材(デジタルビデオカメラ等),出張費(観察対象校訪問),および謝金(観察実施補助,データ整理)に関する費用も実施費用に含める.また,一部の予算を平成25年度に計画していた成果報告の為の学会出張,および成果報告書の印刷費用にも充てる.
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Research Products
(1 results)