2012 Fiscal Year Research-status Report
仮想的有能感と社会観の循環影響モデルの検討-青年の政治的意識・態度に注目して
Project/Area Number |
23730634
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
小平 英志 日本福祉大学, 子ども発達学部, 准教授 (00442228)
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Keywords | 仮想的有能感 / 政治的態度 / 社会参加 / 青年期 |
Research Abstract |
平成24年度は、政治に対する意識や態度を、政治的関心、政治信頼感および政治効力感の概念を用いて測定し、仮想的有能感との関連を検討した。5月(対象者389名)及び7月(対象者377名)の2回、大学生を対象とした質問紙調査を実施した。 解析の結果からは、他者軽視傾向が高く自尊感情が低い仮想型で、政治に対する関心が最も薄く、他者軽視傾向と自尊感情がともに高い全能型の個人と比較して、統計学的に有意に低い値が示された。この結果を含め、研究成果を25年度の学会(青年心理学会等)で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つの調査を予定通りに実施したこと、解析や成果発表の準備も順当であることから、概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、仮想的有能感や特定の社会観が政治に関する行動に影響しうるのかどうかを検討する。仮想的有能感尺度、自尊感情尺度、政治へのコミットメント指標(選挙での投票行動や政治に関する会話の程度等)からなる質問紙を作成し、専門学校・短大・大学生等を対象として質問紙調査を実施する。 解析には、これまでの研究と同様に類型論的アプローチを用いる。仮想的有能感は政治効力感の低さを背景として、政治参加や投票行動などを阻害しているのではないかと予想し、その仮説検証を行う予定である。また解析の結果を順次、学会で発表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度と同様に、質問紙の作成から実施、解析、成果公表のために必要となる物品の費用、データの入力補助の費用、学会発表の旅費・参加費等に用いる。 平成24年度は、統計パッケージソフトのバージョンアップ及びトナーの購入を先送りにしたため、これら物品の相当額が繰越となったが、最終年度の調査及び解析にあわせて予定通り執行する。
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