2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23730635
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
赤間 健一 京都学園大学, 人間文化学部, その他 (40469078)
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Keywords | 動機づけ調整 / 動機づけ / メタモチベーション / 動機づけ喪失状況 |
Research Abstract |
前年度から継続し、大学生の動機づけ調整スタイルを検討することを目的とし研究を進めた。まず前年度に中断していた大学生の活動領域の特定と動機づけとの関連に関する調査を行い、結果を大学紀要に2度に分けて執筆および発表した。 次に、動機づけ調整スタイルの検討のために、前年度に作成した動機づけ調整方略尺度とメタモチベーション尺度について2度の学会発表において公表した。さらに、尺度の信頼性や妥当性を検討するために、調査を実施した。300名程度のデータを収集し、さらに2度目の調査を行うことで安定性の確認を行った。ただし、この2度目の調査におけるデータ数が少なかったために、25年度に不足分を補うための調査を実施する予定である。これらの二つの尺度についてはおおむね信頼性と妥当性は確認されている。 また、動機づけスタイルとして調整方略の使用パターンの特定を試みたが、分析の途中でより優れた手法があることを知り、そのための専用のソフトウェアを購入する必要が生じたので25年度初期に実施することとし中断している。 さらに当初計画していなかった動機づけ喪失状況を考慮する必要が生じたために、状況を特定するための尺度作成を実施した。まずどのような状況があるかを把握するために自由記述形式の調査で項目案を収集し、それらの項目を使用して尺度作成を試みた。その結果、大学生が動機づけを失いやすい状況として6つの状況が抽出され、さらにその状況の安定性の検討を試みたがデータの収集途中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の達成度はほぼ順調である。23年度に予定していた以上の結果が得られたために、予定よりも多い2度の学会における研究成果の報告を行った。 24年度に計画していた調査研究の中で、動機づけスタイルの特定は一度は行ったものの、より優れた解析方法があることが分かり、それにより解析をし直すために一度停止した。25年度当初に解析のためのソフトウェアを購入し再開する。 研究を進めるにあたり、当初計画に含めていなかった動機づけ喪失状況を特定する必要が生じたために、測定尺度の開発を行った。尺度の開発はほぼ終了したがデータが不足している分を25年度に追加する予定である。 また予定していた行動指標との関連の検討は計画後に発表された他の研究者の論文などを参考にしていく上で本研究における重要度は低く、行動指標よりも動機づけそのものの変化を検討することが求められると判断したために動機づけとの関連を検討した。 当初の計画と変更した点、新たに追加した調査などもあったが、当初の計画で想定していた調査、および報告は果たせているためにほぼ順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、24年度に実施していた研究においてデータ数が不足していた分の追加調査の実施、および動機づけ調整スタイルの検討を実施する。 具体的にはデータ解析用ソフトウェアの購入後、現在中断している動機づけ調整スタイルの特定、さらに動機づけ喪失状況パターンの特定を行い、状況と調整スタイル、さらには動機づけとの関連を明らかにする。このためには、現在すでにデータとして一部は存在しているが不足分は追加調査で補う。 これまでの研究は新たに必要となった調査などを含めても計画通りに進行しているため、今後は不足データを補充するための調査を実施し、データがそろった時点で解析、発表に向け準備を行う。また25年度は最終年度であるので報告書の作成を行う。 また24年度の研究内容を2度の学会発表を行うことで公表し、動機づけ調整方略に関する研究をまとめ査読ありの雑誌への投稿を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、まず昨年度の研究成果の報告として学会での発表を行う。当初の予定どおり2度の学会発表を行うこととする。一つは東京都内の法政大学で行われる日本教育心理学会第55回総会で、もう一つは北海道札幌市で開催される日本心理学会第77回大会で発表する。それぞれの大会における発表申請費用として、各12千円が必要である。東京都内で開催される学会については、旅費・交通費として60千円、北海道札幌市で開催される学会については、旅費・交通費として100千円程度を予定している。 また当初予定していたよりもすぐれた解析方法を実行するためのソフトウェアMplusの購入に90千円を使用する予定である。本年度の調査に使用する質問紙のための印刷用紙の購入に10千円、報告書の印刷代および送付代としてそれぞれ100千円と10千円を使用する予定である。 他には昨年度に実施した動機づけ調整方略の安定性を検討するために、3カ月程度の間隔で同一の調査対象者に2度の調査を行ったがデータ数が不足しているために追加の調査を行う。2度の調査への協力に対し、一人当たり0.5千円の図書券を謝礼として渡す予定である。100人程度を予定しているため、50千円前後を使用する予定である。人数が確定できないのは、2度目の調査にどれだけの協力が得られるかは実施するまで分からないためである。
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