2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23730649
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
山本 隆一郎 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 助教 (30588801)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 大学生 / 不眠 / 臨床健康心理学 / 学校保健 / 公衆衛生学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,(1)大学生における不眠とその対処状況を把握すること,(2)大学生の不眠に対する実証に基づく睡眠健康教育を開発するにあたりニーズを把握すること,(3)睡眠健康教育を開発し,効果検証を行うことである。大学生の約8割が睡眠問題を有すること,不眠は生活の質を低下だけでなく,生活習慣病や精神疾患発症の危険因子になることが指摘されている。このことから,学校保健における実証に基づいた睡眠健康教育を開発,普及することは国民の健康増進に重要である。 平成23年度は(1)(2)の目的を達成するため,大学生を対象とした調査を実施した。調査票は睡眠問題状況,睡眠問題への対処状況,睡眠健康教育を受けると仮定した場合の希望に関する項目から構成され,有効回答637名を分析対象とした。分析の結果,睡眠に関する困りごとが1つ以上あると回答した者(睡眠問題者)の割合は全体の43.10%であり,一番の困りごとでは,日中の過剰な眠気が最も多く(睡眠問題者の30.96%)次いで,入眠困難が多かった(睡眠問題者の29.89%)。また,睡眠問題者の内,それを改善させたいと回答する者の割合は睡眠問題者の93.95%であった。その一方で,睡眠問題者の内,医師を受診している者は1.42%,自分で何らかの独自の対処を行っている者は18.15%,特に何も行っていない者は77.58%であった。また,実証に基づく睡眠健康教育を受けると仮定した場合に希望する媒体(複数選択可)は"インターネット(ホームページでの文字情報の閲覧)"が最も多く(睡眠問題者の55.52%が選択),費やしてもよいと思える時間的コストの平均は3.07時間であった。 平成24年度は,この調査結果を踏まえ,日中の過剰な眠気と入眠困難症状のマネジメントを中心としたインターネットの文字情報を媒介とする睡眠健康教育の開発,効果検証を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した通り,平成23年度中に行う予定であった調査研究も終了し,結果を取りまとめ平成24年度に国際会議での発表予定である。また,平成24年度に行う予定である介入研究に関しても,その事前準備が順調に行われており,年度内に必要なデータの収集,結果の取りまとめが可能であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に実施する介入研究の計画内容を倫理委員会で通過次第,データ収集を行い,これに並行して,平成23年度中に実施した研究を,学会発表,学術雑誌への投稿を行い,年度内に計画した研究内容を終了する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費に関しては,平成23年度研究費内で必要物品をほぼ購入したため,平成24年度に関して実施する介入研究に関わる必要な消耗品や図書を購入する。旅費に関しては,本研究課題と関連する情報の収集,平成23年度の研究成果発表を目的として,現在2件の海外出張を計画しておりそれに使用する。人件費・謝金に関しては,長期間の介入研究を実施するため,参加者への謝金に適用することと,研究発表に関連する英文校閲費に適用することを計画している。その他の経費に関しては,研究成果発表費用に適宜適用するものとする。
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