2012 Fiscal Year Research-status Report
小学生から高校生までの学校における怒りの多次元的特徴の検証とその予防的介入
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23730650
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
下田 芳幸 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (30510367)
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Keywords | 怒り / 攻撃性 / 学校 |
Research Abstract |
1)学校での怒りと感情評価との関連の検討 前年度に作成された「学校での怒りの多次元尺度日本語短縮版」(JS-MSAI)を利用して、「陰性感情の否定的評価」との関連性を検討した。その結果、怒りへの否定的評価が低いと怒りの認知的側面や行動的側面が高くなる傾向にあることが示された。 2)学校での怒りと学校ストレッサーとの関連の検討 JS-MSAIと小中学生が学校で経験するストレッサーとの関連性について検討を行った。その結果、学校で表出される怒りの程度は、学校ストレッサーの多寡とほとんど関連しないことが明らかとなった。また学校に対する否定的態度は教師ストレッサーや親ストレッサー(中学生男子)や学業ストレッサー(中学生女子)、怒りの直接的表出は教師ストレッサーや自己ストレッサー(小学生女子)との関連することが明らかとなった。したがって、小中学生の学校での怒りの理解や不適切な表出への支援に際しては、学校ストレッサーの調整を視野にいれる必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年中の2年めでは、学校での怒りの関連要因を検討することが目的であったため、怒りと関連の深いストレッサーと感情評価について検討した。これらの成果は関連学会で発表し、現在投稿中または投稿準備中であることから、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
学校での怒りと関連する心理的変数、特に認知的側面(自動思考)と行動的側面(社会的スキル)との関連を検討する。 これらの成果を踏まえ、実際に学校現場で予防的な心理教育を行い、生徒にとってどのような体験であるかを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究データの入力補助のための謝金。 研究データを分析を効率化するためのパソコンの購入。 研究成果を学会で発表するための諸費用。
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