2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730654
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中島 俊思 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (90568495)
|
Keywords | 低出生体重児 / ペアレントプログラム / 発達障害特性 / 保育園生活 / 地域中心型リハビリテーション / 乳幼児健診 |
Research Abstract |
1歳6ヵ月児健診に相当する月齢18ヵ月時点においてM-CHATを用いて標準体重児(NBW)群との比較をおこなった研究では、VLBW児は、“要求と興味の指さし”“物の提示”“初期の言語理解”“他者の視線追随”といった項目で、該当する行動を獲得していない児の率がNBW 群よりも高かった。 3歳児健診にASDのスクリーニングツールPARS短縮版を用いた検証でも、VLBW児の言語面や対人社会面での苦手さがよりはっきりとした形で明らかになった。“指さしの使用”に関しては統制群との差異は解消されていたものの、“言語発達”“会話”“オウム返し”といった言語コミュニケーション領域に関する項目群、“呼名反応”“視線”“ごっこ遊び”“他児への興味関心”といった社会的やりとりに関する項目群において、統制群よりも苦手傾向が強く特異的であるという差が見られた。 保育園就園後のLBW児の適応の検証では、“粗大運動”“微細運動”“身辺自立”といった各種運動機能の発達に関する領域において、年少ではLBW群とNBW群との差異が見られたものが学年が上がるにつれ解消するような傾向が読み取れた。一方で“落着き”“順応性”では、年中でLBW児群の苦手さが年少組より顕著に見られるようになるなど、適応行動面での困難さが幼児期後期においても持続する傾向がみられた。 VLBW児の母親向けに、ペアレントプログラムに2回のワークを追加実施し効果を検証している。追加ワークでは、育児やNICU入院時の振り返りを、境遇の近しい母親同士の語り合い体験、すなわちピアサポートグループとしての形態を特に重視した。結果、継続的にプログラムに参加したメンバーの効果として抑うつ傾向の改善がみられ、さらに出産時やNICU入院など過去体験記憶からの侵入症状、回避症状の快方など、VLBW児の母親特有のPTSD様な体験様式の改善が見られることが明らかになった。
|