2013 Fiscal Year Annual Research Report
軽度認知障害のアルツハイマー病への移行を予測する神経心理学検査の検討
Project/Area Number |
23730656
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
竹田 伸也 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00441569)
|
Keywords | アルツハイマー病 / 健忘型軽度認知障害 / 移行予測 / 神経心理学検査 / 竹田式三色組合せテスト |
Research Abstract |
本研究では,アルツハイマー病(AD)のスクリーニング検査として開発された竹田式三色組合せテスト(TTCC)が,健忘型軽度認知障害(aMCI)のスクリーニングおよびADへの移行予測に有用であるか否かを検討した. 対象は,もの忘れを主訴として鳥取生協病院心療科を受診し,aMCIの診断基準を満たし,2年の経過観察を終えた33人であった. 初診時にTTCCで陽性を示した人は13人であり,陰性を示した人は20人であった.これらの結果より,TTCCがaMCIを検出する際の感度は39.4%であった.一方,2年間に33人中10人がaMCIからADに移行し,23人がaMCIのままであった.この結果より,年間のADへの移行率は14.7%であった.aMCIからADに移行した群を移行群,移行しなかった群を非移行群としたところ,移行群と非移行群で年齢,男女比,教育歴,Mini-Mental State Examination得点に有意差を認めなかった.初診時において,移行群でTTCCに陽性を示した人は9人,陰性を示した人は1人であったのに対し,非移行群でTTCCに陽性を示した人は4人,陰性を示した人は19人であった.初診時のTTCC,MMSE,教育歴 を説明変数とし,群を目的変数としてロジスティック回帰分析を行った結果,TTCCのみが有意な項目であった(オッズ比:42.8, 95%CI:4.2‐439.6). 本結果より,TTCCのaMCIに対する感度は39.4%と低く,aMCIを検出するツールとしては十分とはいえないことが示された.しかし,移行群と非移行群で初診時におけるTTCCの結果に有意な差を認め,TTCCはaMCIからADへの移行を予測する神経心理学検査として有用である可能性が高いことが示唆された.
|