2011 Fiscal Year Research-status Report
身体醜形懸念の生涯発達的理解に向けた世代間横断研究
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23730658
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 勝則 弘前大学, 教育学部, 講師 (10510969)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 身体醜形懸念 |
Research Abstract |
本研究の目的は身体醜形懸念(Body Dysmorphic Concern ; BDC)の(1)因子構造、(2)関連する身体部位および(3)認知行動モデルについて生涯発達的視点から検討することであった。予備分析として,BDCが高まる青年期にあたる大学生から得られたデータを基に、BDCと関連する身体部位について検討を行った。男性では2つの身体部位について、女性よりも有意に不満が強かった。女性では13の身体部位に関して、男性よりも有意に不満が強かった。また、男性におけるBDCと様々な身体部位への不満は弱い正の相関を示した。女性におけるBDCと様々な身体部位への不満も弱~中程度の正の相関を示した。特に、体格、腕、体重に関する不満はBDCとの正の相関が強く認められた。本結果については、国際心身医学会議にて報告を行った。以上の結果を踏まえ、その後、調査対象を青年期のみならず中年期、老年期まで拡大し、当初の目的を達成するためインターネットを利用した大規模調査を行った。現在、データの分析を行っている最中であり、得られた一部の結果についてここで報告する。20代から60代までの男女計2060名のデータに基づき分析を行った結果、BDCの因子構造は大学生を対象として行われた結果と同様の3因子構造を示し、このモデルは先行研究における海外の結果と比べ、データのモデルに対する当てはまりは良好であった。また、男女ともにBDCは加齢に伴い低下する傾向にあることが示された。これらの結果に関しては国際会議での報告(審査有・採択済み)や国内学会での発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定した以上に短期間で調査を実施することができた。また、性別や年代、居住地等の点で偏りのないデータを得ることができた。サンプル数についても当初計画以上の量が得られている。こうした良質なデータサンプリングが当初の計画以上に分析を進めることに寄与している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は既に得られたデータに関して更に詳細な分析を行い、国内外での学術会議や学会での発表、国内外の学術雑誌への論文投稿へとつなげていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として、国内外における学術会議や学会への出張旅費や参加費、およびこのことに係る消耗品等への支出を見込んでいる。また、英語論文執筆時の英文校正費用への充当も検討している。
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Research Products
(6 results)