2012 Fiscal Year Annual Research Report
身体醜形懸念の生涯発達的理解に向けた世代間横断研究
Project/Area Number |
23730658
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 勝則 弘前大学, 教育学部, 講師 (10510969)
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Keywords | 身体醜形懸念 / 生涯発達 / 因子構造 |
Research Abstract |
身体醜形懸念は青年期において顕著であることが報告されている。一方,近年,中年期以降の容姿の衰えに伴う自尊心やQOL低下の予防を目的とした,美容整形的介入や化粧療法などの報告が増加しつつある。しかし,身体醜形懸念を伴う群に対してはこのようなアプローチは功を奏さない可能性が指摘されている。これまでの研究において,中年期以降の身体醜形懸念については未解明な点が多い。そこで本研究では,身体醜形懸念の生涯発達的検討を行うことを目的とした。平成23年度にはweb調査により全国の20代から60代の男女2060名からデータを得た。分析の結果、次のような結果が得られた。 1.身体醜形懸念の因子構造は男女間で共通したものであった。また、発達段階間でも共通したものであることが明らかとなった。 2.身体部位や身体的特徴に関する不満足感については,4つの部位や特徴(薄毛,顔のシミ,額,性器)で性差や発達段階間による差を認めた。 3.先行研究で確認されている身体醜形懸念の認知行動モデルについて,発達段階を超えて適用可能かについて検証したところ,モデルは十分な適合度を示さなかった。ただし,この結果については先行研究で用いられた調査項目と異なる項目を用いたことが影響している可能性もあるため,今後,再分析を行い,モデルの精緻化を図る予定である。 最終年度である平成24年度はこれらの成果について,国内外の学会で報告を行った。
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