2011 Fiscal Year Research-status Report
軽中度難聴者のストレス対処プログラムの開発と効果の検討
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23730669
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
勝谷 紀子 文京学院大学, 人間学部, 非常勤講師 (90598658)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 難聴 / ストレス / 精神的健康 |
Research Abstract |
本研究では、軽度から中度の難聴者(以下、軽中度難聴者)が心理的不適応をおこすストレス要因を明らかにし、ストレス対処および軽中度難聴者理解のためのプログラムを作成、その効果を検討する。軽中度難聴者は、その存在自体が比較的知られていないだけでなく、障害があると外からはわかりにくい。そのため、障害による生活上の困難を理解されにくい問題がある。そこで、まず軽中度難聴者の生活上のストレス要因を明らかにすることを目的とした調査を行った。具体的な手続きとしては、軽中度難聴者にウェブサイトや交流サイト、中途失聴者・難聴者協会などを通じて調査への協力を依頼し、同意を得た者に対して郵送、ファクス、メールによる質問紙調査を行なった。調査票では、現在の聞こえの程度、日常生活(職場、家庭、外出先、移動中など)でストレスを経験したことがあるか、経験している場合はどのような場面でどのようなストレスを感じているか、ストレスに感じていることに対してどのような対応をしているかについて尋ねた。得られた回答について、生活の様々な場面ごとに分類・整理して難聴者のストレスの特徴を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究の目的」、「研究実施計画」におおむねそった研究の実施がなされている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1の成果をふまえ、軽中度難聴者特有のストレスに対処するための軽中度難聴者向けプログラム、軽中度難聴者の問題を知り理解を深めるための健常者向けのプログラムを開発する。聴覚障害者がストレスを感じる場面におちいったときにどのように対処すればよいか、健常者はどのように対応すべきかについて、漫画やイラストを用いた事例集、事例を題材として用いたディスカッション、よりよい対処の仕方のロールプレイングなどから構成されたプログラムを作り完成させる。作成したプログラムの内容は、活用しやすくするようウェブサイト等から入手できるようにする。また、学会発表やパンフレットを通じて広く広報活動を行なう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現時点での研究成果を学会や論文の形で報告するための費用、軽中度難聴者特有のストレスに対処するための軽中度難聴者向けプログラム、軽中度難聴者の問題を知り理解を深めるための健常者向けのプログラムづくりへの費用、プログラムに参加する研究協力者への謝金、研究補助者への謝金に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)