2013 Fiscal Year Research-status Report
PDD女児・女子グループプログラムの立案・実践と応用行動分析的検証
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23730680
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
佐田久 真貴 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (10441479)
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Keywords | PDD女児・女子 / グループ支援 / 応用行動分析 / ケース・フォーミュレーション / ストラテジーマップ |
Research Abstract |
本研究は広汎性発達障害(PDD)女児・女子を限定とした応用行動分析的グループプログラムの立案と実践事例を積み上げていくこと、そして、ストラテジー(strategy; 戦略)とタクティクス(tactics; 戦術)の関係性を明確にしていくことが目的である。ここでは、既存のプログラムを当てはめるのではなく、個々の事例に応じた機能分析に基づくケース・フォーミュレーションが大切であり、参加者と保護者・専門家が協働して、女性としての知識・スキルを獲得する機会になるよう提供する。 本年度は、これまでに作成したプログラム内容を修正し、新規の対象となったPDD女児・女子グループに実施することができた。また、新たなグループを開始する準備が整っており、着実に実践の積み重ねができている。本研究は、本人が自身の障害や特性を知っていることが前提でプログラムを作成していた。しかし実際は、本人には知らされていない、あるいは専門医からの説明を本人は受けていない、といった相談者が多い。そこで、プログラムをアレンジし、未告知の女児・女子が参加できる内容にすることで、現状に見合う対応を目指した。その方法にすることで、参加者が増えたことからも、本研究の指向性や社会的意義は大きく、さらに検証をすすめるためにも実践例を積み上げていくことが必要だと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、グループ支援の実践事例を積み上げることが目的であった。本年度開始したグループと、グループ支援前の個別支援を行っているケースも増えてきた。また、参加者本人が告知を受けている場合と、受けていない場合の2通りのプログラムを作成してそれぞれ実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、個別支援を行っている対象者をグループ支援へつなげ、グループ支援の実践例をさらに積み上げていく。本研究を推進するにあたり、PDD女児・女子本人が障害や特性の告知を受けているケースが少ないという現状が改めて明らかとなった。本人へ未告知であっても、それに適するグループ支援が強く求められている状況があった。いずれの状態にあっても、それぞれへのグループ支援を実施していき、1.プログラム内容を精査していくこと、2.保護者や専門医との協働のもとで女児・女子が自身の特性について正しく理解していく支援をより慎重に行うこと、3.年齢を重ねていく対象児・者への支援のあり方を検討していくこと、等が課題となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初は25年度の海外での学会発表を計画していたが、26年度の学会発表に変更をしたために使用額の変更が生じた。 2014年9月に開催されるEABCT(ヨーロッパ認知行動療法学会)での発表費用として使用する予定である。
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