2012 Fiscal Year Research-status Report
薬物再使用リスク測度の潜在的指標を用いた改良および治療応用
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23730687
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大谷 保和 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10399470)
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Keywords | 物質依存症 / 再発リスク / 自記式尺度 / 潜在的態度 |
Research Abstract |
・薬物・アルコール依存症者の再使用リスクの測定および再使用の予測可能性について、海外の先行研究を幅広くまとめた英文のレビュー論文が公刊された。 ・社会認知的手法(潜在連合テスト:Implicit Association Test)を用いたアルコールへの渇望感を測定するためのプログラムを、いくつかの動作チェックの後完成させた。 ・連携研究機関(東京都立松沢病院)との協力体制を構築したうえで、アルコール依存症入院患者を対象として、退院後の再使用を自記式尺度や社会的認知測度のどの変数が予測力を持つか検証する研究プロトコルを作成し、大学及び病院の倫理委員会に承認された。また、病院で実施する際の細かい手続きについて担当医と詰めの作業を行った。 ・その他、以前より開発済みである薬物依存症評価系(Addiction Severity Index-Japanese Version、Stimulants Relapse Risk Scale, Alcohol Relapse Risk Scale)について普及活動を行った。ASI-Jについては岩国刑務所で研修を実施した。SRRS・ARRSについては海外からの問い合わせ(フランス・インドネシア・パキスタン・香港)への対応を行うとともに、東京都医学総合研究所と共同で実施しているGIRK阻害機能薬のアルコール依存症患者への薬効評価研究を実施、データ収集は終わり現在結果をまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者本人の勤務先異動(2011年6月1日より)に伴い、新環境で再度研究体制を構築する必要性が生じたこと、かつ新勤務先で使用する研究室が東日本大震災で被害を被り、修復に約1年を要したこと等の要因により、全体的に研究の進捗が停滞した。また、共同研究先の病院の体制が大きく変わり、共同研究者である医師が依存症病棟担当から異動するという事態が生じた。このため病棟に残った他の医師と再び信頼関係を構築し研究を依頼する必要が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究先である病院の体制変更およびそれに伴う共同研究者の医師の依存症病棟からの急な異動によりデータ収集が遅れ、平成24年度の研究費の十分な活用は困難となった。したがって今後は、本格的なデータ収集を平成25年度に一括して行うこととする。対象においては、連携病院における薬物依存者の絶対数が少なく、アルコール依存者を中心的に取り上げることで対応する。また同病棟の他医師と信頼関係を構築し共同研究者として協力を依頼できる目処がついたため、引き続き同病棟の患者を対象とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究作業全般を行うためにパーソナル・コンピュータを、データの統計解析を行うために統計ソフトをそれぞれ購入する。加えて認知課題はコンピュータ上で実施するため、協力先での課題用にコンピュータが数台必要となる見込みである。また研究実施にあたって、必要に応じてデータ収集および整理のためのアシスタントを雇用し、研究協力者には謝礼を支払う。研究成果の発表や最新知識の収集のために関連学会に参加し(旅費が発生)、研究成果を科学雑誌に投稿する(英文添削の費用が発生)。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] The relationship between victimization and severity of drug addiction measured with Addiction Severity Index in Japanese drug-dependent patients.
Author(s)
Ogai, Y., Senoo, E., Sugaya, N., Morita, N., Ikeda, K
Organizer
2012 ISBRA World Congress
Place of Presentation
Sapporo, Japan
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