2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23730694
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小野 史典 山口大学, 教育学部, 講師 (90549510)
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Keywords | 実験心理学 / 認知 / 知覚 |
Research Abstract |
本研究課題では,人間の時間と空間の知覚に及ぼす逆行性要因の影響を心理物理学的手法を用いて調べ,そのメカニズムを解明すること目的として実験研究を行ってきた。年度の前半では,前年度までに我々が明らかにしてきた,空間的位置の知覚が逆行性要因によって歪む現象が,空間だけでなく形状の知覚においても生起することを発見し,その生起要因を明らかにした。また,年度の後半には,人物の評価をするときなど,高次な認知活動においても逆行性要因の影響が認められた。 これらの研究成果をもとに,平成25年度は,海外と学術雑誌に1本の査読付き学術論文と国内の学術雑誌に1本の査読付き学術論文が採択された。学会における研究発表に関しては,国際発表を1回,国内発表を3回,招待講演を2回行った。 本研究課題「逆行性要因による空間知覚の歪み現象」は,計画段階では時空間知覚といった,人間の認知おける比較的低次のプロセスを対象としていたが,研究を進めていくにつれ,魅力評価といった高次プロセスにおいても逆行性要因の影響が認められた。このように我々の認知及び知覚が時間を遡って歪められる現象を解明することは,人間の認知・知覚メカニズムの時間的側面を明らかにするために重要な知見であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では,空間知覚に及ぼす逆行性要因の影響のメカニズムを解明することを目的としていたが,平成25年度は逆行性要因の影響が空間知覚だけでなく,形状知覚や魅力評価に及ぶことを明らかにした。研究期間全体で国際誌3本の受理を目指すことを目安としていたが,初年度から現在まで国際誌10本の掲載が決まったことから,順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は人聞の知覚だけでなく,より高次な認知活動における逆行性要因の影響に関するそデルの作成と研究発表を行う。研究成果は,国内外の学会で発表するとともに,認知,知覚関係の専門誌に投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に人間の知覚における逆行性要因の影響に関するモデルを作成し,学会発表する予定であったが,実験の結果,知覚処理だけでなく,より高次な認知活動においても逆行性要因の影響が認められたため,計画を変更し高次な認知処理を含めたモデルの作成を行うこととしたため,未使用額が生じた。 このため,人聞の知覚および認知における逆行性要因の影響に関するそデルの作成と学会発表を次年度に行うこととし,未使用額はその経費に充てることとしたい。
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[Presentation] 時間と認知
Author(s)
小野史典
Organizer
立正大学 認知知社会心理学セミナー
Place of Presentation
立正大学(東京都品川区)
Invited
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