2013 Fiscal Year Annual Research Report
盲点補完における情報統合過程と脳内基盤の実験心理学的・脳生理学的研究
Project/Area Number |
23730713
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
蘭 悠久 島根大学, 法文学部, 准教授 (10437767)
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Keywords | 実験心理学 / 盲点 / 知覚的補完 / フィリングイン / 事象関連電位 |
Research Abstract |
本研究の目的は、盲点補完における盲点の片側の情報および両側の情報の統合過程と脳内基盤を検討することであった。本研究の成果としては、主に2点ある。(1) 盲点物体片側補完における異方性実験の結果は、盲点下側に提示した刺激の補完が盲点上側・左側・右側に提示した刺激の補完よりも生じやすいことを示した。これは研究代表者らが先に行った実験で示された盲点の片側に提示された運動線分における補完の量の下側優位性と同じ傾向を示す。したがって、盲点片側補完においては下側刺激優位(片側補完下側優位性)といえる。この下側優位性は、上側と下側の両方が右側および左側に対して優位である垂直優位性とは異なる点で新しい知見であると考えられる。Araragi (2011; Experimental Brain Research)は盲点両側補完における直線補完水平優位性および曲線補完垂直優位性が示したが、盲点片側補完の下側優位性は盲点両側補完とは異なるメカニズムで生じている可能性が高く、盲点補完のメカニズムを検討するのに興味深い知見である(現在投稿準備中)。(2) 運動線分が盲点に接する際に片側補完が生じる条件では生じない条件に比べてガンマ波が後頭葉で統計学的に有意に増加することが示された。アルファ波においても片側補完が生じる条件では生じない条件に比べて後頭葉で統計学的に有意に増加することが示された。これらのデータの解釈については現在考察中であるが、運動線分における盲点片側補完の際の生理データはこれまでに示されていないので、盲点補完のメカニズムを考えるうえで興味深い知見である(蘭ら,2013,電子情報通信学会技術研究報告)。最終年度には、盲点の片側補完と両側補完の際の脳波の違いを検討するために事象関連電位を測定する実験を行い、現在データ分析中である。
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Research Products
(4 results)