2011 Fiscal Year Research-status Report
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23730719
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
橋本 照男 独立行政法人理化学研究所, 象徴概念発達研究チーム, 研究員 (40553756)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 新奇性 / 再認記憶 / 脳画像研究 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、新奇性を基準とした判断の訓練により、新奇性判断モードの形成とその神経基盤を明らかにすることであった。顔再認実験の確信度判断において、正確さを重視し、かつ早さを求めることで、偏りが少ない反応を得ることができることを明らかにし、この教示方法を用いて本実験を行った。 顔写真を偶発学習した後、MRIスキャナー内で新奇顔を多く呈示する再認課題を行い、新奇性を基準とした判断モードを誘導し、そのときの脳活動を計測した。その後、新奇顔と学習顔が同数呈示される再認課題を行い、新奇性判断モードの影響を確信度判断と脳活動から検討した。また同様の手続きを用いた統制群において、新奇顔と学習顔が同じ比率で呈示される再認課題を行い、再度さらに新奇顔と学習顔が同じ比率で呈示される再認課題を行い、実験群と比較した。確信度判断とその反応時間に関しては、同一の実験である2度目の再認課題において、実験群と統制群の間に有意な差を検出できなかった。よって、脳画像データに関しても1度目の再認課題を主な解析対象とすることとした。各群12名のデータを取得し、機能的脳画像データを現在解析中である。 本研究成果は2012年7月に行われる国際心理学会での発表が受理されている。 また、本研究を発想するに至った研究として、研究活動スタート支援を受けて行っていた記憶再生の繰り返しに関わる神経基盤の研究を、学習と記憶の神経生物学の専門誌において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にあるように、計画していたデータを取得し、そのとりまとめを進め、専門誌での発表に向けて準備中である。 ただし、研究発表は間に合わなかったため、学会参加を見送った。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね計画通りに進んでいるので、今後も同様に計画が達成できるように努力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に予定していた成果発表ができなかったため、その経費660,000円が余った。次年度は成果発表を中心に研究費を使用する。すなわち、学術論文の発表(英語校正、査読、別刷りの費用)と学会発表(参加費、旅費等)に用いる。
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