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2012 Fiscal Year Research-status Report

再認における新奇性判断の認知神経科学的研究

Research Project

Project/Area Number 23730719
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

橋本 照男  独立行政法人理化学研究所, 象徴概念発達研究チーム, 研究員 (40553756)

Keywords再認 / 記憶 / 新奇性 / 確信度
Research Abstract

初めて見るものが初めてだと分かるのは、新奇性を検出できているからなのか、それとも親近性が極めて弱いことからくるのかを、その確信度判断と脳活動の相関を検討することで明らかにする研究を行った。学習後の訓練時に、新奇刺激を圧倒的に多く呈示し、新奇性を基準に判断をする認知的構え、ヒューリスティックを形成させることで、後の再認判断時に新奇性処理が親近性処理と分離できるかを機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて明らかにすることが研究の目的であった。
当該年度においては、親近性に基づく判断を訓練する群の再認確信度判断に対応する脳内メカニズムと、新奇性判断のメカニズムと違いを検討した。素早く、高い確信度判断に関わる神経基盤と、比較的判断が遅く低い確信度の神経基盤には乖離があることを見出した。右扁桃体と中脳水道周囲灰白質が、高確信度の早い新奇性判断に関わっていた。扁桃体はネガティブな情動や注意を払うべき刺激に強い応答を示すことが知られており、中脳水道周囲灰白質は生存に関わるような信号、身体からの情報の処理に関わることが示唆されている。新奇顔は部外者であり、危険な存在である可能性があるため、これを素早く検出するためのメカニズムが働くのかもしれない。
一般的な再認記憶課題では、学習した刺激が多いため、学習済みとそれ以外という判断基準になるが、本研究の新奇刺激を多く呈示する再認課題により、新奇性に基づく判断を惹起することができたと考えられた。その新奇性判断に関わる神経メカニズムは生得的な自己防衛のためのものである可能性があり、再認課題においても記憶に依らない判断の基盤として利用されているのかもしれない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の研究計画にあった新奇性判断に関わる神経基盤を明らかにすることができた一方、その成果を学術誌において発表できるには至っていない。しかし、成果を論文にまとめ学術誌に投稿し、専門の研究者から意見・批判に対応するために、データの再解析等を行うことによって、論文を大幅に改善することができた。これにより、近い将来には成果を発表できる可能性が高まった。

Strategy for Future Research Activity

専門家の意見に基づき再解析を行った上で、論文を大幅に改訂し、学術誌においてそれを発表することを目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度への繰越額は324,476円で、次年度の研究費はこの金額のみ(期間延長課題の為、次年度請求額なし)。成果発表に至らなかったために、繰越が生じた。よって、成果発表のために使用する。主に論文の掲載に関わる費用に使用する。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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