2013 Fiscal Year Annual Research Report
時間的同期に基づいた異種感覚モダリティ間・属性間の情報統合メカニズムの解明
Project/Area Number |
23730720
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤崎 和香 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (20509509)
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Keywords | 同時性知覚 / バインディング / 異種感覚モダリティ / 時間‐特徴統合 / 視聴触覚 |
Research Abstract |
本研究の目的は異種感覚モダリティ間、異種感覚属性間の情報を統合して、一体感のある知覚世界を作り上げている人間の脳の論理を、心理物理学的実験手法を用いて明らかにすることである。我々は近年、感覚モダリティ間・属性間のバインディング課題の時間周波数限界が、感覚モダリティや属性の組み合わせによらず、約2.5 Hzと共通になることを発見した。この感覚モダリティや属性に共通の時間限界が、「時間」と「内容」の情報を並列処理したのちに統合するという脳の戦略を反映したものではないかという仮説を検証するため、ひきつづき「感覚間・属性間の時間‐特徴統合課題」を行ったほか、「聴覚内の異なる感覚属性間のバインディング課題(純音、狭帯域雑音、反復リプル雑音などを用いた時間位相弁別課題)」を行った。また、感覚間だけでなく感覚運動間の時間的な対応付けのメカニズムを探るため、自分の行為とその感覚フィードバックとの時間遅れについてひきつづき検討を行った。これらの研究は、東京大学文学部「第14回心理学研究室セミナー」や日本心理学会公募シンポジウム「多感覚間統合機能の行動神経科学:ヒト適応向上に寄与する脳機能」にて講演を行ったほか、「Vision Sciences Society 13th Annual Meeting」、「第二回充実生活を実現する技術のための脳と心と体のメカニズムワークショップ-行為主体感から行為充足感へ-」において発表を行った。
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