2012 Fiscal Year Research-status Report
学生の学習到達度を適切に評価する自律的な内部質保証の構築―イギリスを参考に
Project/Area Number |
23730721
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 正弘 弘前大学, 21世紀教育センター, 准教授 (30423362)
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Keywords | 国際情報交換 / 内部質保証 / 成績評価 / 学外試験委員 / イギリス |
Research Abstract |
平成24年度は,2月にイギリスのオックスフォード大学などを訪問し,大学における成績評価の内部質保証制度に関する実態を詳細に調査した。 その成果は,田中正弘(2012)「イギリスの大学における成績評価の内部質保証制度」日本高等教育学会第15回大会(東京大学)として,6月に発表した。 また,この成果がイギリス人研究者にとっても示唆的な内容であるかを確認する目的で,再びイギリスを訪れ,Tanaka, Masahiro (2012) The Creation of an Internal Quality Assurance System for Performance Evaluations of Japanese University Students based on the British Model, SRHE Newer Researchers Conference 2012 (Celtic Manor, Newport, Wales, UK)(イギリス高等教育学会2012年大会)として,12月に発表した。 学会発表で得られた有意な意見を参考に,研究成果を論文「成績評価の内部質保証制度構築に関する比較研究―イギリスの事例を鏡として―」にまとめ,日本高等教育学会の学会誌『高等教育研究』第16集に投稿し,採択が決定した。 また,本研究の成果を広く還元する目的で,他大学のFD活動で講演を行った。例えば,田中正弘(2012)「成績評価の考え方および弘前大学と英国大学の事例」(横浜国立大学での招待講演)などがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究の成果を日英両国で発表し,そこで得られた有用な批評を踏まえて,論文を執筆し,予定より一年早く学会誌に掲載することが出来た。 また,研究の内容を咀嚼して,FD講演会等の活動を通して授業改善に活かすなど,研究成果を広く社会に還元することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
イギリスの大学における成績評価の妥当性を担保する内部質保証制度の実態を,ある程度明らかにすることが出来たので,今後の研究の推進方策として,内部質保証制度に関連する重要な事柄である,学生の主体的な学修を促進する「単位の実質化」に着目したい。特に,授業時間外の自主的な学修をどのように促進しているのかについて,イギリスの事例を現地において,丁寧に調べてみたい。 また,平成26年以降の研究活動への発展性を踏まえて,学生参画による内部質保証制度の在り方について,その理論と実際を調査しておきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の成果から派生して得られた知見である,イギリスの大学において学年末考査がどのように採点されているのかについて,日本高等教育学会で5月に発表を行う。それから,研究成果を日本やイギリス以外の国にも還元するために,シンガポールで学会発表を6月に実施する。 また,イギリスを訪問し,単位の実質化に関する調査を行うとともに,イギリスの新しい潮流である,学生が参画する内部質保証制度の在り方について,聞き取り調査を行う。
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