2013 Fiscal Year Annual Research Report
戦後青少年教育の研究―戦前との連続性および「官製」的運動の展開に着目して―
Project/Area Number |
23730722
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
安藤 耕己 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (30375448)
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Keywords | 日本産業開発青年協会 / 青年海外協力隊 / 反共施策 / 日本青年団体協議会 / オーラルヒストリー |
Research Abstract |
本年度は主に4つの研究活動を実施した。①寒河江善秋の山形における青年団活動に関するインタビューおよび書信類の複写・撮影および解読 ②寒河江の日本産業開発青年協会を拠点とした活動に関わる雑誌類の閲覧・閲覧、③末次一郎関係の公文書閲覧・撮影、④研究方法論であるライフストーリー(オーラルヒストリー)についての理論的検討。これら①~③の成果は、平成25年9月に日本社会教育学会第60回研究大会自由研究発表において、「戦後青少年団体の展開と青年団運動―寒河江善秋の周辺に着目して―」と題して報告した。前年度までに戦後青少年(教育)施策における末次一郎の役割の大きさを明らかにしたが、その過程で気づかされたのが、日本青年団体協議会(日青協)副会長も務めた寒河江善秋の存在感と末次との密接な関係であった。当発表では、末次と寒河江との関係の深化以降、日青協においていかなる変化が生じたのか、特に寒河江とその周辺の動向・言行に焦点化しつつ解明した。結果、寒河江が日青協において、中道、あるいは保守・右派勢力の結節点となったこと、その際、反共キリスト教系団体MRAの日青協執行部への浸透があったこと、寒河江が1960年代半ばに戦前~戦後の青年団運動に関わる人脈を結びつけるに貢献したこと、結果として末次との関係は、晩年一定の距離が開いた可能性が示唆された。これら成果は本研究において特筆すべき成果である。 なお、上記④については、日本社会教育学会プロジェクト研究「社会教育研究における方法論の検討」世話人として、2013年6月開催の日本社会教育学会六月集会および9月の第60回研究大会双方で開催されたシンポジウムにおいて、プロジェクトの趣旨および成果についての報告を行うため登壇した。また、12月には同プロジェクト第5回研究会にて、「社会教育実践史研究におけるナラティヴの位相―予備的考察―」と題して報告した。
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Research Products
(4 results)