2011 Fiscal Year Research-status Report
実践的な日本型リサーチアドミニストレータ組織のモデル構築
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23730736
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
寺本 時靖 金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 博士研究員 (80466482)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交流 アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
本研究は、競争的研究資金の割合が増加している日本で検討と導入が始まった、競争的研究資金のマネジメントに関わる専門職であるリサーチアドミニストレータ(RA)の実践的な組織モデルの構築を目指すものである。本年度は、RA組織のパターン化を分析するために、RA組織の導入が進んでいるアメリカ合衆国の数大学において調査を行った。RA組織がウェブ上で公開されている6大学を総合大学、単科大学などに分類し、それぞれの大学のRA組織を部署、人数、役割について分類し情報収集を行った。さらに、National Council of University Research Administrator(NCURA)の53rd Annual Meetingに参加し、RA組織の改革の講演や、RA組織の在り方、また運営方法、さらにはRA業務の実務について調査を行った。また上記の会において、RA組織の改革を行った2大学に直接インタビューを行い、組織改革において組織体制や人員割り振り、資金導入をどのように改革し、その効果がどれだけあったかについて、情報を得た。これらの調査結果をまとめ、第3回リサーチアドミニストレーション研究会において発表を行った。 日本国内における調査は、文科省の事業でRA組織を導入している、東京大学、東京農工大学、名古屋大学、金沢大学、京都大学においてどのような組織を構築したかを調査した。これらの5大学においては、新しく組織を導入したばかりのため、組織の導入効果は引き続き調査する必要がある。また、導入を検討している数大学において、学内においてどのようなニーズがあり、どのような組織編成を考えているか聞き取り調査を行った。 上記のように本年度は、RA組織導入が進んでいるアメリカ合衆国とこれからRA導入を進めている日本において調査を行い、大学の規模、ニーズ、組織体系の情報収集を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度においては、RA組織の導入が進んでいるアメリカ合衆国の組織体系や組織改革において目的通りの情報が収集できたといえる。さらには日本国内における状況についてもある程度情報収集ができたが、日本国内のニーズ調査がやや遅れている。国内外の情報収集が進でいる状況ではあるが、十分な分析まで達成できておらず、やや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度で集めたデータを基に、大学の特色に合わせてRA組織モデルのパターン化したもの精緻化を行う。すでに先行してRA組織を導入してる大学へインタビュー等による詳細な現場情報の収集やアメリカのRA組織へのインタビュー等で、RA組織パターンの精緻化を以下の手順で進める。(1)すでにRA組織を導入している大学への詳細インタビュー:RA組織形態としては大学の一部の事務部署がRAに発展した大学や、博士研究員を利用した組織など、いくつかのパターンがみられている。そのパターンと前年度収集した情報を照らし合わせ数大学の候補を挙げ、RA組織に詳細なインタビューを行い、現場の実情を情報収集し分析を行う。(2)アメリカのRA組織の調査:前年度に続き、アメリカのRA組織について調査を行う。また、NCURA Annual Meetingに参加し、前年度の調査結果とその分析を発表し議論を行う。(3)大学の特色に合わせたRA組織パターン化:これまで収集した情報をもとに、大学を規模・特色等により区分し、それぞれに合ったRA組織体系を構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、本学へRAについて調査される機会が多く、多くの大学との面談する機会があったことと、12月に開催したRA研究会は金沢で開催され、100名近くの参加者があり様々な大学と情報交換をする機会があったため、国内旅費と謝金の使用がほとんどなかったため繰り越しとなった。次年度は、アンケートと聞き取り調査が主になる。国内の数大学への調査のための国内旅費と招聘費、謝金に使用しする。また海外での調査においては、主にNCURAのANNUAL Meetingへの参加し、昨年度と同様な調査を行うための参加費と旅費に使用する。
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Research Products
(1 results)