2011 Fiscal Year Research-status Report
生活基盤型保育における知的教育の研究―造形の遊びから学力を可視化する―
Project/Area Number |
23730751
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
丁子 かおる 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (80369694)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 幼小接続 / 材料用具 / カリキュラム / 平均年齢 / 幼児教育 / 小学校 / 造形 / 美術教育 |
Research Abstract |
平成23年度は、研究題目に関わる題材を教科書資料及び学習題目をもとに助言を受け資料調査をしながら、保育現場における材料経験の使用について佐賀県K小学校及び、大阪市内と北九州市内のすべての保育施設へアンケート用紙を配布して調査を行い、結果を分析し公表した。幼児教育における材料用具の使用開始時期の平均を調査した結果、2歳後半から3歳児クラスで材料用具を使用しはじめていることが分かり、小学校教員はそれよりも遅く使い始めていると考えているか、3割が分からないという回答であった。接続へ向けて保育現場における材料用具の使用についての現状理解が互いに不可欠であった。調査対象と方法、成果については以下に示す。1.小学校・保育現場における調査 調査は、小学校調査と幼保調査を行った。小学校については,宮崎裕治先生のご協力により佐賀県K小学校の教員27名にアンケートを配布いただき,期間内に23名の回答(回収率85.2%)を得た。また、幼保調査に関しては、大阪市と北九州市の幼稚園・保育所すべてを対象としてアンケートを送付し、大阪市内幼稚園及び保育所から165園の回答(回収率21.9%)と,北九州市内幼稚園及び保育所から108園の回答(回収率43.0%)があった。これらを分析対象とした。2.公表1)ポスター発表・・・丁子かおる「乳幼児の発達過程における材料素材と用具の調査研究-保・幼・小の接続に向けて-」保育学会:玉川大学,2011,5,22 2)口頭発表・・・丁子かおる「保育現場における材料用具の経験についての調査研究―美術教育の幼小接続へ向けて-」美術科教育学会:新潟大学,2012,3,28 3)査読付論文・・・丁子かおる「保育現場における材料用具の経験についての調査研究―美術教育の幼小接続へ向けて-」『美術教育学』第33号,美術科教育学会,2012.3.25,pp.287-300.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度の研究到達度については、成果も公表し、公表予定のものもあるので、ある程度達成しているが、平成24年度の成果を出すための23年度実施の研究調査が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究方法については、見直しを行いつつ進めているが、今後はより研究を効率化して行う予定である。実際には、研究協力者の数を絞って一人当たりの助言時間を長くすることで研究内容の質を維持しつつ、研究の特色を明確化する、成果資料のまとめ方を視覚的に行うなどで資料の枚数を減らしてよりわかりやすいものとするなどの対処を行う。 研究成果は予定通り、教員研修や学会などで公表し、同時に研究のフィードバックを希望される調査協力の学校・園へ、成果の送付を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の使用額は、「現在までの達成度」で記載したとおり、24年度に成果を出すために23年度に着手した研究調査の進捗状況が遅れたことに伴って生じた研究経費である。この経費については、以下の24年度の使用計画と合わせて執行する見込みである。 予定されていた残りの文献について資料収集を行い、題材を記録するためのデジタルカメラの購入、研究協力者への謝金、資料をまとめるための学生アルバイト代、旅費、資料を編集していくためのコンピュータの購入と、研究成果の印刷代、研究成果の公表のための学会参加費や論文印刷費などに使用する予定である。
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