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2012 Fiscal Year Research-status Report

ロシア帝国ムスリム地域におけるジャディード運動:教育改革・地方自治・ネットワーク

Research Project

Project/Area Number 23730766
Research InstitutionToyo University

Principal Investigator

渡辺 賢一郎  東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (30328637)

Keywordsジャディード運動 / ロシア帝国 / 教育改革 / 地方自治 / イスラーム / 社会運動
Research Abstract

今年度は海外現地調査および国内における文献調査を集中しておこなった。
まず海外現地調査であるが、夏季にウズベキスタンで行った。西トルキスタンにおける教育改革運動について現地文書調査を中心に行った。その対象は、刊行物、新聞などの定期刊行物、教科書などである。西トルキスタンは、19世紀後半にロシア帝国に併合され、トルキスタン総督府の管轄となるが、この時代にロシア化政策がすすめられた。ロシア化政策は、クリミア半島、ボルガ川流域など、他のロシア・ムスリム地域と同様に、ロシア正教とロシア語教育を二本立てとしてなされた。これに対し、旧来のムスリムによる教育方法では対抗しきれないと考えたタタール人により、教育改革を中心とした社会運動がおこったのである。この動きは、旧来の方式(旧方式)に対して、「新方式と言われた。西トルキスタンのメドレセにおいてもこの「新方式」の試みがなされたが、こうしたメドレセなどにおける運動に関連する史料や、改革運動を推進した人物に関連する史料などを調査した。
次に国内文献調査を、海外調査に前後して継続的に行った。ロシア民族政策、イスラーム教育史などに関する二次文献を所蔵する図書館において調査することで、一次史料の意義付けや、再定義を行うなど、分析の厳密化をはかった。
こうして入手した史料、また二次文献などを、研究補助アルバイトを雇用してスキャニングしデジタル化をはかった。デジタル化した史料は、その内容に応じて整理し、研究成果報告の前提となるデータベースを作成した。そして、それらのデータの読解および分析、新聞記事などの膨大なデータの関連付け作業をすすめた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成23年度に引き続き、平成24年度においても、夏季に海外現地調査を行い、史料収集を行うことができた。現在のロシア、ウズベキスタンをはじめとした、中央ユーラシア地域における様々な教育改革運動とイスラームの改革運動関連する文献を収集することによって、現地調査で得た史料を研究テーマに位置付ける際の貴重な比較情報および視点を得ることが可能となった。また、平成23年度に入手したものを含めて、収集した文献を研究補助アルバイトによってデジタル化しデータベース化することで、読解し分析する際の効率化をはかることが可能となった。ただし、年度末に予定していた海外現地調査が、現地受け入れ体制の都合で延期せざるを得なくなったため、この調査は次年度に持ち越すこととなった。この点のみ計画の変更をせざるをえず、予算の繰り越し執行とあわせて、修正をする必要がある。それ以外はおおむね順調に調査を行い、読解もすすめている。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度は本研究計画の最終年度である。従って、成果公表のための総括を行う予定である。とはいえ、平成24年度から延期した海外現地調査など最終的な現地調査を行い、また同時に国内における文献調査も引き続き行う予定である。研究テーマに即して、最後に重点的に行うべき調査は、本研究計画が主たる分析対象とする中央ユーラシアのムスリム地域における地方自治と、教育改革に代表される社会運動との関連付けについてである。改革派知識人が地方自治において果たした役割や、こうした地方自治体同士のネットワークについて、文献調査することで明らかにしたい。そして、改革運動が提示した新しい社会像を分析することで、教育改革をはじめとした様々な社会運動について独自の意義付けを行いたい。成果は論文の形で公表する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度末に予定していた海外現地調査が、現地受け入れ体制の都合で延期せざるを得なくなったため、この調査は本年度に持ち越すこととなった。この調査は、平成25年夏季に行う予定である。また、国内における文献調査も引き続き行うため、国内旅費も必要となる。平成25年5月には日本西洋史学会が京都大学にて開催されるが、隣接地域や隣接領域の研究報告があるため、参加して意見交換につとめたい。また前年度に引き続き、史料のデジタル化作業を行う予定である。こうした作業を効率よく行うための機器類、消耗品類の購入も予定している。成果公表にあたっての校閲などの作業を外部委託することも計画している。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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