2012 Fiscal Year Research-status Report
多文化共生社会における平和教育の概念研究:オキナワ平和学習の事例から
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23730770
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
井手 華奈子 創価大学, 教育学部, 講師 (30532444)
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Keywords | 教育哲学 / 平和教育 / 民主主義教育 / 市民性 / 社会正義 / マイノリティ / 国際情報交換 |
Research Abstract |
当該年度に実施した研究の成果は以下の四点にまとめられる。第一に、四月に締め切りのあった国際学会(American Educational Studies Association:以下AESA)において中間発表をおこなうための論文作成をおこなった。七月に査読の結果として招聘通知が届き、十月末から十一月初旬にかけて、アメリカ合衆国シアトルで開催された学会に参加し、十一月一日に中間発表をおこなった。発表の結果、論理的な視点から多くの有益なフィードバックを受け取ることができた。第二に、最終報告としての発表をおこなうため、七月に締め切りのあった国際学会(American Educational Research Association:以下AERA)のための論文作成をおこなった。十一月に査読の結果として招聘通知が届いたため、来年度五月にアメリカ合衆国サンフランシスコで開催される学会での発表に向けて、最終原稿を現在推敲している。特記すべきこととして、AERAからは、paper sessionとしての招聘を受けたが、学会側の手違いでround tableにおける発表に変更されたことである。第三に、九月にアメリカ合衆国アラバマ大学のジョン・ペトロビック博士より市民教育に関する書籍の一章を担当してほしいとの執筆依頼を受け、本研究の最終報告書の掲載先が決定したことである。5月に開催される予定のAERAにおける最終報告の発表への批判やフィードバックを踏まえたうえで、来年度の八月までに最終論文を作成する予定になっている。第四に、昨年度からの継続として先行研究、関連資料の情報検索および収集を行った。例えば、十月には、教科書図書館において教科書の中での沖縄に関する記述や説明の詳細を確認し、教科書のもつ平和教育の視点(expected audienceが誰なのか)を確認するための資料収集をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展していると評価する理由は以下にあげられる。研究計画書で当初予定されていたのは― V. 研究の中間報告としての国内外の学会発表原稿の作成 [4月~8月]、 VI. 研究発表の準備と学会発表と最終検討 [9月~11月]、 VII.最終的な研究の総括 [12月~3月]――であった。 実際には、V、またVIの作業において、国際学会で発表するための英語の発表原稿の準備に時間を要したため、日本語の発表原稿まで準備することができず、日本語での学会等における研究発表が持ち越しになっている。しかし同時に、V,VI,VIIの作業において、国際学会における発表は予定されていた通り終わらせることができた。さらに、来年度の最終報告の執筆先が決定したことから、ほぼ本年度に予定された研究段階はほぼ達成することができたため、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、研究の最終成果として四月二十七日に国際学会において論文発表をおこなう予定である。発表予定の学会は、AERA(American Educational Research Association)である。すでに十一月に招聘状が届いていることから、年度をまたいで最終の発表論文を仕上げる予定である。 第二に、AERAにおける最終報告への諸批判を検討する。学会での発表の際の質問や諸批判を、五月から七月にかけて検討しながら、最終報告書となる論文を八月一日までに作成する予定である。最終論文は、Routledgeより、Citizenship, Character and values Education Series として二〇一四年のAERA開催までに出版される予定になっている。最終論文の作成においては、研究協力者であるWalter Feinberg博士からの助言は欠かせない。 第三に、日本語による学会発表、論文原稿の作成を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際学会における最終的な研究の総括の発表を遂行するため、外国語の論文執筆の費用として英語論文校閲費用、そして国際学会出席のための旅費を計上する。最終的な研究の総括を英語論文として出版するための英語論文校閲費用を計上する。国内学会や研究会における研究の発表を遂行するための旅費を計上する。論文作成時に収集が必要となる関連資料、文献購入費を計上する。論文作成過程において研究協力者であるWalter Feinberg博士からの専門的な知識の提供に対する謝金を計上する。
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Research Products
(2 results)