2011 Fiscal Year Research-status Report
学長を対象とした大学経営資質開発プログラムに関する日英比較研究
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23730774
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
中島 英博 名城大学, 大学・学校づくり研究科, 准教授 (20345862)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交流(英国) / 大学経営 / 教材開発 |
Research Abstract |
本年度は,学長をはじめとする大学経営層の経営資質向上研修において用いられる,教材の開発を英国大学との協力の下で行った。ロンドン大学教育学院のMacdonald氏の協力の下,インペリアル・カレッジに本部を置く大学経営層向け研修教材開発プロジェクトに参加し,教材の設計方法について示唆を得ると共に,日本における既存のコンテンツと英国で開発中のコンテンツを交換・検討し,パイロット教材を開発した。 ストラテジック・プランニングやリーダーシップといった,いわゆるソフトスキルの獲得は,従来,MBAコースに代表されるように,有職者が自身の経験と他者の経験を議論して交換し,複眼的な考え方や普遍的な原理に気づくといった,対面研修を前提としてきた。そのため,教材化,とりわけオンライン教材化は困難と考えられてきた。しかし,多忙な大学経営層が,時間と費用を要する経営研修に参加することは困難である。米国では大学経営層の労働市場が流動的で専門職化しているが,我が国や英国では教育研究職としてキャリアをスタートした者が大学内部から経営層に就くケースが多い。こうした現状を鑑み,インペリアル・カレッジのプロジェクトメンバーの協力の下,戦略経営とリーダーシップに関するオンライン教材を試行的に開発した。 パイロットコースは既に研究者が運用する通信教育用プラットフォームに格納され,パブリックベータテストの段階である。今後,テストユーザのフィードバックを得て,テストユーザの到達度や満足度を測定し,成果を検証する共に,コースの改訂を英国側と協力して進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前に研究協力先との詳細な打ち合わせを行ったために,パイロットコースの開発においては,短期間でテスト段階まで到達できた。また,現地において実際のコースコンテンツの収録や編集に立ち会い,教材設計の方法やコンテンツ作成の方法について観察・意見交換をしており,研究目的に資する十分なデータの収集が行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
パイロットコースの評価を行い,改訂方針について共同研究者と検討すると共に,我が国の文脈に沿ったコース教材として完成させる。また,コースを用いた学習成果について検討し,結果を学会において報告する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に,プロジェクト会議参加の旅費,および学会報告の旅費として使用する。また,報告書制作の印刷費として使用する。物品については,テストユーザのデータをバックアップするデータストレージの購入以外に使用計画はない。
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