2012 Fiscal Year Research-status Report
専門職団体による職域横断型アクレディテーションの研究-米国の相談援助職を対象に-
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23730787
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
丸山 和昭 福島大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20582886)
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Keywords | 専門職 / 職域横断 / アクレディテーション / 米国 / 相談援助職 |
Research Abstract |
本研究の目的は、医療・福祉・教育の職域にまたがる米国の相談援助職を事例として、専門職養成における職域横断型アクレディテーションの成立過程を明らかにするとともに、日本において職域横断型の専門職化を課題とする心理職の事例と比較することで、日本において米国モデルを適用する際の有効性と限界を明らかにすることにある。 本研究計画では、米国のPsychologist、Counselor、Social workerの専門職域の拡大とアクレディテーションシステムの成立過程、および国家・大学・他職種との調整に向けた専門職団体の戦略について、各職種の事例研究を進めるとともに、日本の心理職養成システムとの比較を行う。 計画の2年目にあたる平成24年度は、米国の3職種における職域の広がり、教育要件、アクレディテーション基準について整理するとともに、比較対象を広く米国の職業一般へと拡大した。また、日本における心理職の養成システムの成立過程について、学術団体が発行する資格(学会資格)と国家資格との関係に注目し、学会資格が国家資格化を目指す際に抱える課題を整理した。 これら、平成24年度の研究成果の一部は、日本教育社会学会第64回大会「学会資格と国家資格―「心理師」構想を巡る心理諸学会の対応を中心に―」、東北教育学会第70回大会「「次世代専門職」のアクレディテーションと能力基準-米国のカイロプラクティック、家族療法、葬儀サービスを事例として-」、図書館情報学会シンポジウム「日本の専門職養成の構造からみた図書館専門職養成の検討」での「臨床心理士の成立過程・現状」として発表した。また、米国におけるPsychologist、Counselor、Social workerの3職種のアクレディテーション基準について、現在、研究資料を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、米国の相談援助職と日本の心理職を事例として職域横断型アクレディテーションの成立過程と課題を明らかにすることにあるが、平成24年度は米国の対象職種の基礎資料の収集と、Psychologist、Counselor、Social workerのアクレディテーション基準について、広く米国の職業一般との比較から把握を進めることができた。また、日本の事例についても、学会資格と国家資格の関係に焦点を絞り、その歴史過程をまとめ、学会発表に至ったことから、本研究計画はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、米国のPsychologist、Counselor、Social workerの専門職域の拡大とアクレディテーションシステムの成立過程、および国家・大学・他職種との調整に向けた専門職団体の戦略について、各職種の事例研究を進めるとともに、米国の職業一般との比較に基づいた論文、及び中間報告書を公表する。具体的には、各種資料の収集・分析、訪米調査、及び米国労働省がまとめた職業総覧(Occupational Outlook Handbook)の内容分析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、米国での訪問調査のため、国内旅費、及び国外旅費が必要である。また、内容分析を中心に、補助人員への謝金を使用する計画である。その他、中間報告書の刊行に費用を要する他、関連書籍の購入費用、資料の複写費用のために研究費を使用する。
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Research Products
(3 results)