2012 Fiscal Year Annual Research Report
中高生の進路選択に及ぼす経済的知識所有の効果に関する研究
Project/Area Number |
23730788
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
王 杰(王傑) お茶の水女子大学, リーダーシップ養成教育研究センター, 講師(研究機関研究員) (80432037)
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Keywords | 国際比較研究 |
Research Abstract |
平成23年度は山東省Z市都市部の中学校、普通科高校を対象に質問紙調査を実施した。対象者の都市・農村部分布の偏りを補正するため、平成24年度はZ市農村部中学校の4年生、職業系高校の3年生を対象に、追加で質問紙調査を実施した。3つの農村部中学校と3つの職業系高校からそれぞれ約500人の生徒を抽出し、対象生徒とその保護者に親子ペアの調査票を配布した。結果として、生徒の90%以上、保護者の約80%から質問票を回収できた。 研究代表者は平成23年度に実施した調査のデータを用いて、経済的知識の所有が山東省Z市の中高生の進路希望に及ぼす影響を分析し、結果の一部を日本教育学会第71回大会で口頭発表した。また、大学授業料や学生援助に関する情報の所有が高3の学歴希望に及ぼす影響について執筆した論文は中国教育経済学会のジャーナルである『教育と経済』に掲載された。以下は知見の一部である。(1)普通科高校の授業料と省内公立大学の授業料を知っている中高生の比率は比較的高い。大学生への経済的支援の状況もある程度中高生に把握されている。②中3では、高校と大学の授業料を知っているかどうかはともに性別、インターネットの利用頻度、自宅で新聞を購読しているかどうかに規定される。高3では、裕福な家庭をもつ生徒ほど、自宅で新聞を購読する家庭の生徒はそうでない生徒より、省内大学の授業料を知っている。③中3では、経済的知識の所有は普通科高校への進学を希望するかどうか、および最終学歴希望に有意な影響を及ぼさない。高3では、普通科高校の生徒の大学院志向に対して、成績、自宅学習頻度、知っているニードベース支援の数、大学の授業料を知っているかどうか、親の教育年数は統計的に有意な影響を及ぼす。知っているニードベース支援の数は正の効果、大学の授業料を知ることは負の効果が示されている。
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Research Products
(4 results)