2012 Fiscal Year Research-status Report
高等教育における女性の学びと教育の環境構築に関する日米の比較研究
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23730790
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
虎岩 朋加 名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (00566721)
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Keywords | 国際情報交換 / アメリカ / ジェンダー / 高等教育 / 学び / 教育関係 / 成長 |
Research Abstract |
1.インタビューの実施とデータ分析 インタビュー実施のためのアメリカへ渡航し、8名とのインタビューを実施した(於:ニューヨーク市およびノース・キャロライナ州チャペル・ヒル)。また、日本では4人とのインタビューを実施した。昨年度と合わせ、合計で29名とのインタビューを実施することができた。本調査によって得られたデータの分析を進めた。 2.理論的考察の実質化を目指した調査の分析と批判的考察、研究知見の発表 分析整理されたデータから生じるいくつかのテーマに関して、Association for Study of Higher Education(ASHE:高等教育学会)、American Educational Research Association(AERA:アメリカ教育学会)、Comparative and International Education Society(CIES:比較教育学会)への発表申し込みを行った。査読を経て、CIESへの発表申し込みの採択を受けた。3月12日にアメリカ、ルイジアナ州ニューオーリンズにて開催されたCIES第57回大会での発表を行った。本発表での研究知見については、アリゾナ大学ローズ・イリマキ准教授の助言を受けた。また、これまでに考察した理論的枠組をつかって、調査の分析をすすめ、高等教育機関における教育行為の女性の学びの形成への影響に関する知見とテーマを整理し、理論的考察を実質化した。本考察については、Luce Irigaray Circle Conferenceに発表申し込みを行い、採択を受けた。2014年度6月にノルウェイ、ベルゲンにて発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度半ばに前職を辞し、現在の職についたため、理論研究面で一時研究を中断せざるを得なかった。また、実証研究面でも日本で目標にしていたインタビュー数を確保できなかった。さらに、アメリカでのインタビューについても、名古屋大学大学院教育発達科学研究科の研究倫理委員の承認を十分だとみなしてもらえず、当初予定していた研究機関での インタビュー実施ができなかった。そのため、調査地を変更せざるを得ず、インタビュー数の確保が不十分であった。 他方、理論研究成果、実証研究成果について、合計で5件の国際学会への発表論文を執筆し、申し込みを行い、うち2件が採択された(1件は現在査読中)ことについて、研究知見の社会への還元という観点で進展があったと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1.実証研究の分析・整理 インタビュー数について最低でも40件を目標にしているため、本年度、アメリカ人女性5名、日本人6名とのインタビューを実施したい。また、これまで得たデータの分析をすすめる。 2.実証研究と理論研究の統合 実証研究で得られた知見に基づいて、研究代表者が博士論文で提示した概念であるエネイブリング・パワーが、教員と女性学生の教育行為のやり取りの中でどのような形態をとって循環しているのかを理論的に研究する。エネイブリング・パワーという概念の妥当性も含め、Women’s Studies以外の学問分野への適用可能性や、日本の高等教育で教育行為が行われる環境においても適用可能なのかどうかを批判的に考察する。その成果を報告書にまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
高等教育や自己形成に関する図書を購入し、理論的考察をすすめる。また、インタビューや、国際学会での発表にともなう旅費、テープ起こし、報告書作成などに研究費を利用する計画である。
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Research Products
(2 results)