2014 Fiscal Year Annual Research Report
教育環境別にみるニューカマーの子どもたちの能力実態の解明
Project/Area Number |
23730792
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
二井 紀美子 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (30549902)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 外国人幼児 / 語彙調査 / ブラジル人 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の平成26年度は、追加調査の実施とこれまでの調査結果の整理・分析を行った。 平成25年度にブラジルのサンパウロ大学附属幼稚園(2園)に在籍するブラジル人幼児に対する語彙調査を行った。その結果についてブラジルの幼児教育関係者との意見交流を行い、「大学附属幼稚園は、大学関係者の子弟が多いため、一般の公立園とは大きく異なる部分がある。公立園に在籍するブラジル人幼児を対象に語彙調査を追加して行うことが望ましい」と判断したため、平成26年度に追加調査として、サンパウロ市内の公立幼稚園で語彙調査を実施した。その結果、①ブラジルにおける教育機関別ブラジル人幼児の語彙能力の比較を行ったところ、大学附属幼稚園在籍の幼児の語彙正答率は、公立園に比べ全体的に高い、②ブラジル公立幼稚園在籍幼児の語彙正答率を年齢別(3歳・4歳・5歳)に見ていくと、年齢に比例して正答率が高くなるが、低年齢集団ほど集団内の正答率に大きな差があり、年齢が上がるほどその差は小さくなることが分かった。また、特に正答率の高かった幼児および低かった幼児の家庭教育環境を比較することで、なにが語彙習得を促進(または阻害)する要因かを明らかにすることができるのではないかという研究発展上の示唆を得られた。 さらに、在日外国人(ブラジル人)の子どもたちの語彙習得の傾向を知るために、不就学のブラジル人児童・ブラジル人学校の児童・公立保育園のプレスクールで学ぶ外国人幼児・幼稚園に通う日本人幼児の4グループの、絵カード式語彙調査の結果を比較検討した論文を発表した。どの教育機関でもブラジル人児童については、品詞(名詞・動詞・形容詞)と会話では、ポルトガル語の会話は品詞に比べ正答率が高く、実際に使える語彙は限られていても、単純な会話はなめらかにできるため、一見問題がないように見えてしまう危険性が明らかになった。
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Research Products
(2 results)