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2011 Fiscal Year Research-status Report

中国の高等教育大衆化と大学の機能分化

Research Project

Project/Area Number 23730795
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

李 敏  広島大学, 高等教育研究開発センター, 研究員 (30531925)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords高等教育 / 大衆化 / 機能分化 / 中国
Research Abstract

本研究は、1999年より始まった中国の高等教育大衆化の10年間を回顧することを通して、中国の高等教育の量的拡大―大衆化のプロセスがどのような形で、どのような主体に担われて展開したのかを分析するものである。また、拡大後の結果として、大学の機能分化について考察を試みる。この分析を通して、高等教育拡大の理論に新たな視点と事例を提供することを目的にする。 本年度は、予定した政策研究、ナショナルデータの分析というマクロ研究と、機関レベルのミクロ研究という二つのアプローチの中のマクロ研究を実施した。 具体的には、(1)高等教育の拡大に至るまでの社会背景と政策変遷を追跡したうえで、(2)ナショナル・データを用いて、高等教育拡大の方式と特徴を解明してみた。各種類の高等教育機関が大衆化のプロセスでいかに拡大を図ったのか、またどのような役割を果たしたのかについて、データを以て分析を行った。 中国の高等教育大衆化が急速に実現されたのは、以下の二つの原因が考えられる。第一、グローバル社会において、一刻も早く先進国に仲間入りするため、高等教育を発展するという「後発効果」がまずあげることができる。第二、国内経済の発展、産業構造の変化による高学歴人材への需要拡大に加え、国民の中に高等教育を受ける要望が高まり、この両者が高等教育の拡大のための環境を作り上げた。ただ、実際拡大のきっかけとプロセスについて見てみると、中国の高等教育大衆化は政府の強い統制のもとで行われたという特徴が見られる。欧米や日本が「マス型」の高等教育機関を創設することによって、漸進的に高等教育の大衆化段階へと移行した過程と違い、中国の高等教育の大衆化は、既存の「エリート型」高等教育機関の急激な規模拡大によって実現されたものである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画したマクロ研究は、ほぼ計画通りに行われてきた。(1)政策研究 高等教育の政策はもちろん、高等教育の方向性を大きく左右する社会上昇移動の歴史伝統、経済発展、労働市場の変遷も視野に入れて考察を試みた。さらに、高等教育と強くリンケージする中等教育、初等教育の構造と変化も見てみた。そうした分析を通して、中国の高等教育の特徴をより全面的に理解することができた。また、この分析は、計画書で強く意識する中国の高等教育拡大方式の析出の土台となっている。(2)ナショナルデータによる分析 中国の高等教育の拡大のプロセス、そして拡大した結果をナショナルデータを以て分析を試みた。分析の結果、中国の高等教育の大衆化がどのように欧米、日本などの国と異なるかについて、初歩的に把握できた。(3)ミクロ研究である機関研究について、予備調査を行った。今後調査校をさらに絞るための準備ができた。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度は、計画したミクロ研究ー機関研究に着手する予定である。 平成23年度は、すでに調査機関に対する予備調査を行い、調査の対象と内容に関しては、より明晰なビジョンを持つようになった。 平成24年度の具体的な計画は、以下の通りである。(1)異なる高等教育機関に対する調査: 「エリート型大学」2校、「マス型大学」3校 (地方政府所属大学、高等職業専門学校、私立大学)を選出する。(2)上述した大学に対して、高等教育の大衆化前後(1999年)、インプット(学生の属性の変化)、スループット(管理運営、教育内容と方式の変化)、アウトプット(大卒者就職や進学の変化)などを考察する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度の研究費は、主として(1)機関調査のための旅費、(2)資料のコピー代、(3)謝礼金、(4)データ整理のための諸経費。さらに、研究成果発信するための(5)旅費なども含まれている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 「中国の教育の現状と課題―市場化の中で広がる格差」2011

    • Author(s)
      李敏
    • Journal Title

      『季刊中国』

      Volume: No.104 Pages: 3頁~21頁

  • [Presentation] 「大学組織の適正規模に関する探索的研究-ゼミ・研究室の組織体制とその規模を中心に-」2011

    • Author(s)
      李敏、村澤昌崇
    • Organizer
      日本教育社会学会
    • Place of Presentation
      お茶の水女子大学
    • Year and Date
      2011年9月24日
  • [Book] 『中国高等教育の拡大と大卒者就職難問題―背景の社会学的検討ー』2011

    • Author(s)
      李敏
    • Total Pages
      249頁
    • Publisher
      広島大学出版会

URL: 

Published: 2013-07-10  

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