2013 Fiscal Year Annual Research Report
大学教育における学習成果ベースの学生支援モデル構築に関する研究
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23730797
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小貫 有紀子 大阪大学, 未来戦略機構戦略企画室, 特任講師(常勤) (30553416)
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Keywords | 高等教育 / 学生支援 / 日米比較 / 学習成果 / 評価 |
Research Abstract |
本研究では、日米の学生支援における学習成果にかかわる近年の状況と、学生支援活動全体に与えるインパクトについて学生インタビュー及び訪問、文献調査によって明らかにした。 米国学生支援においては2000年以降、学習成果ベースのアセスメント活動が盛んになってきている。その第1段階として、学生支援活動における学習成果の要素を規定することが求められている。学生支援では、入学から卒業までの学生の成長のうち、特に人間的成長に係わる汎用的スキルや態度志向性を向上させることが求められている。2004年には、学生支援の全米専門職団体において、大学教育は知力形成を主とした授業の中の活動に加え、大学が提供する授業外の様々な活動を含めた多様な学生経験を経て、学生の統合された学習成果として現れると規定された。 本研究では専門職団体による学習成果に関する動向に加え、大学機関の学生支援組織内において、どのように学生の学習成果が位置づき、学生支援のマネジメントに反映されているのか、ケーススタディも行った。その結果、学習成果を導入する動機として、予算縮小に対する学生担当副学長からの強い反発と、組織的な学生支援のマネジメントを実現しようとする力が働いていた。 一方、日本の大学機関における教職員、および学生へのインタビューを通じて、学生支援プログラムは問題応答的、かつ模索的な側面が強いが、一部のプログラムでは、参加学生の研修プロセスを取り入れることで、学生の学習成果向上に寄与する学生支援プログラムとして開発可能であることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)