2014 Fiscal Year Annual Research Report
高大接続の観点からみる高等学校普通科のキャリア教育に関する実証的研究
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23730800
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西郡 大 佐賀大学, アドミッションセンター, 准教授 (30542328)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 高大連携活動 / キャリア教育 / 普通科高校 / 出前講義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,普通科高校,特に,大学進学希望者を対象としたキャリア教育に注目し,高大接続の観点から検討することを目的とした。これまで,高大連携活動の代表的な取り組みである「出前講義」に注目し,受講者(生徒)の心理的作用の観点からアンケート調査を実施した。分析の観点は,以下の3点である。(1)高校教員が期待する「学習意欲の喚起」や「進学意欲の喚起」は,出前講義によって高められているのか。(2)出前講義を受講した生徒が感じる受講内容に対する満足度に注目し,どのような要因によって受講者の満足感が高められているのか。(3)出前講義を行う大学にとってどの程度の広報的な効果があるのか。各観点の分析結果は以下の通りであった。(1)「大学進学に向けた学習意欲の喚起」の平均値はもっとも高く,少なくとも受講直後において彼らの学習意欲は喚起されていることが示された。一方,「講義内容に対する理解度」は,あまり重要な要因ではなかった。また,大学・短大への進学希望者有無や受講前の講義内容に対する関心度合いの違いによる差も確認された。(2)出前講義に対する満足度は,「派遣教員個人の力量」「講義内容に対する興味・関心の喚起」「大学に対する新鮮な発見や驚き」「講義内容に対する理解度」の4要因による影響を大きく受けていた。特に,「派遣教員個人の力量」は満足度に対して大きな影響力を持っていた。(3)出前講義によって「実施大学に対する親近感」が特別に高まるという傾向はみられなかった。以上の結果より,普通科高校におけるキャリア教育について,高大連携活動という切り口から1つのキャリア教育の在り方を示すことができた。これらについては,「キャリア教育からみた出前講義の効果と限界―普通科高校のキャリア教育に高大連携活動をどのように位置づけるか」というタイトルで論文としてまとめた。
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Research Products
(2 results)