2013 Fiscal Year Annual Research Report
現代米国高等教育における学生支援に関する実証的研究―「協同モデル」のインパクト
Project/Area Number |
23730804
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
小島 佐恵子 玉川大学, 教育学部, 准教授 (40434196)
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Keywords | 学生支援 / アメリカ / 協同 / 高等教育 |
Research Abstract |
本年度は、1)学生支援の専門職養成課程の現状、および学生支援部門と他部署との協同や活動の改善・広がりなどについてのインタビュー調査、2)質的研究法に関する研究会、3)学生支援の現状と課題に関する国際学会での発表を行った。 1)については、オレゴン大学、ウィーバー州立大学、ネバダ大学ラスベガス校の学生支援の専門職養成課程の教員や学生支援の担当職員にインタビュー調査をした。学生支援の専門職養成課程についてはその後の進路や転職等、学生支援担当の職員には、管理職の経歴、学生支援部門と教学部門の管理職の違いなどについて尋ねた。また、学生支援と他部署との協同については、近年学生支援と教学部門が自発的に行っている例もあるものの、外的圧力(効率的な予算配分等)によって余儀なくされる例も見受けられた。とくにコミュニティ・カレッジなどでこの外的圧力は強く働いている。 2)については、質的データを分析する際に使用するKH-CoderやQDAソフトに関して、実際の研究事例から活用方法を検討する研究会を行った。 3)については、海外への発信のため、日本の大学改革における学生支援の現状と課題について国際学会で発表(共同)を行った。 学生支援において、初年次教育等では制度的に協同が進められているケースが多かった。しかしそれ以外では、制度的には協同が進められていても実質的には結びついていない例や、制度的には協同していないがインフォーマルなつながりは形成されている例も見受けられた。いずれにしても、財政的理由や評価等の観点から協同が急に進められたり、あるいは進んでいたものが頓挫したり、学生支援部門はそうした内外の影響を強く受けるために変化が大きく、自律した意思決定が難しくなっていることも判明した。一方、学生支援部門の存在意義を示すべく、評価の専門家を雇用し、学習成果向上への寄与を強調する面も見られた。
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Research Products
(1 results)