2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23730813
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
妹尾 渉 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 主任研究官 (00406589)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 教育経済 / 教育行財政 / 人的資本 / 資源配分 |
Research Abstract |
本研究の目的は、定量的分析を通じて、(1)教育政策とその他の政策手段(社会保障政策、労働政策など)との比較において、教育部門への最適な資源投入規模を明らかにすること、また同時に、日本の政治的・経済的・社会的諸条件の下で持続可能な教育の資源配分メカニズムや制度のあり方を検討すること、(2)就学前教育から初等中等教育、高等教育、職業教育までの間の相互補完関係を考慮しつつ、教育部門における各教育段階の優先度に応じた資源配分割合を検討すること、(3)同じ教育段階における各種教育政策間(ex. 義務教育段階における少人数学級、学校選択制、教員評価制度)の費用対効果および付与すべき資源配分のメカニズムやその制度のあり方を検討すること、である。 研究実施計画に従い、本年度はおもに上述の定量分析の基礎となる各種データセットの作成を行った。具体的には、文科省統計である『学校基本調査』、『学校教員統計調査』、『地方教育費調査』の各年度の報告書に基づき、電子化した都道府県パネルデータ(時系列・横断面)のセットを整備した。加えて、総務省の公表データを中心に、都道府県・市区町村レベルでの社会経済関連データを収集し、電子化したパネルデータを整備した。また、研究協力依頼や情報公開等の活用により、一部の自治体においては、官公庁統計のための一次資料、教育部門以外の情報も含む行財政資料等を収集し、その一部を定量分析に適した形式に変換するための作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の作業により、公的統計をもとに教育関連および社会経済関連の中長期の都道府県パネルデータを整備したほか、一部自治体ではより詳細な中期パネルデータの整備を実施できた。よって、研究実施計画における初年度目標である、定量分析の基礎となる各種データセットの収集および整備についてはおおむね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
作業(1)前年度に引き続き官公庁・民間の公表データの収集を行う。また、各研究者保有の個票データが利用可能であれば収集を行う。作業(2)(1)で入手した公表データの電子データ化(ex.紙データのコピー、スキャン、データ入力)を図る。また、官庁(ex. 文科省、総務省)、都道府県・市区町村の教育委員会への行政関係者への運用実態把握のためのインタビュー調査、現地での資料収集、などを行う。作業(3)研究内容の関する研究会への参加・報告の実施する。 特に、初年度の作業において、地方自治体のデータが豊富に入手できたことから、a)地方における教育の資源配分機能の現状把握と、b)それらの相違がもたらした教育成果の相違に着目した定量的分析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究の推進方策に記述の作業(1)、作業(2)にともない、各種図書・資料の購入、郵送、資料収集にともなう旅費、作業(3)にともなう学会参加・報告のための費用を計上している。
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