2012 Fiscal Year Research-status Report
文章表現における児童生徒の相手意識とコミュニケーション方略に関する研究
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23730823
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
森田 香緒里 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (20334021)
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Keywords | 相手意識 / 文章表現 / 国際比較 / 作文 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、国語教育、認知心理学、日本語教育、社会心理学における、相手意識と文章産出との関係に関する国内外の議論を検討した。その結果、以下の研究状況を確認した。①相手(読み手)に関する情報が書き手に多く与えられるほど、「質の高い」文章産出につながるという研究成果が蓄積されている。② ①のようなインプットとアウトプットの相関関係については、諸領域である程度明らかになってはいるものの、書き手の中で生ずる言語選択意識の解明にまでは至っていない。 これらの成果は、宇都宮大学国語教育学会の学会誌『宇大国語論究』において発表した。 また、宇都宮市内の小学校において、児童が相手意識・目的意識を明確に持ちながら交流・発表活動を行う単元を試験的に開発し、実践および検討を行った。具体的には、宇都宮市独自教科「会話科」のカリキュラムにおいて、小学3年生を対象に、インタビューとプレゼンテーションという二つの言語活動を中心とした単元を設定した。誰のために行うかという相手意識と、何のために行うかという目的意識を明確に持たせてこれらの言語活動を行った結果、次の成果が得られた。①表現内容や表現形式の両面において、相手意識にもとづく選択行動が見られた。②インタビューもプレゼンテーションも、ともに3年生には高度な言語活動とみなされてきたが、相手意識と目的意識を明確にすることによって充分なレベルまで到達した。 次年度は、今年度都合により実施できなかった英国での調査を行う。日英での調査結果をふまえて、児童生徒の相手意識と表現活動とを連動させたカリキュラムの開発にあたり、理論的基盤を構築したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の計画であった、英国での作文調査が実施できなかった。当初は英国の初等学校・中等学校に出向いて直接作文データを得ようと思っていたが、英国の学校のセキュリティが厳しくなっていること、また児童生徒の作文データが個人情報扱いになったために、データ収集及び分析方法に慎重にならざるを得なくなったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
英国の児童生徒の作文データ収集に関しては、海外調査機関を通じて代行を依頼することにする。セキュリティや個人情報等の問題をクリアし研究を遂行するためには、それが最も有効な方法であると判断したためである。また国内での調査も一部残っているため、引き続き行う。既に協力校の選定と担当教諭への依頼は済んでいるので、すぐに実施できる状況にある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外調査のために計上していた外国旅費は、既述の理由により海外調査機関に代行を依頼しての調査に切り替えるため、調査代行費として計上する。また、国内での調査のための旅費、データ入力のための謝金、成果発表のための旅費等については、当初の予定通りとする。
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Research Products
(1 results)