2012 Fiscal Year Research-status Report
地域密着型アートプロジェクトを対象とした鑑賞授業実施の可能性に関する調査研究
Project/Area Number |
23730824
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
喜多村 徹雄 群馬大学, 教育学部, 准教授 (60466688)
|
Keywords | 美術教育 / 鑑賞教育 / 現代美術 / アートプロジェクト |
Research Abstract |
地域の美術館との連携を図ることが学習指導要領に記載されて以降、学校と美術館・博物館の連携は徐々に進み、授業開発も行われるようになってきているが、美術館における専門家の配置不足、図工・美術科の授業時数の減少等の諸問題と相俟って普及するには至っていない。また、授業で利用可能な距離圏内に美術館がないなど、双方の努力では解決し難い要因もある。本研究は、美術館に替わり、全国各地で開催されているアートプロジェクトで展示される作品を題材にした鑑賞授業実施の可能性について調査、研究を行うものであり、具体的には、群馬県吾妻郡中之条町で2年に一度開催される「中之条ビエンナーレ」で展示される作品を当該地域の中学校美術科での鑑賞授業の題材化を試みるものである。 平成24年度は、平成23年度に中之条ビエンナーレに参加したことで収集できた情報の整理を行うとともに他地域のアートプロジェクト及び美術館における教育普及事業の調査を行った。特に重視したのは、平成25年度のビエンナーレ開催準備日程の把握であったが、平成24年度に中之条町長の交代に端を発し、中之条ビエンナーレ実行委員会が改組、事業内容の見直しが検討された結果、開催日程に4か月の遅れが生じた。そして、次のことが明らかとなった。1.地域の美術鑑賞題材としての可能性がある地域アートプロジェクトだが、運営主体の動向と事業の継続性が連動しているため、その題材化には流動的な要素が多分に含まれる。2.アートプロジェクト全般において学校教育との連携は不足している。3.平成25年度開催の第4回中之条ビエンナーレ参加作家から協力を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
重視した中之条ビエンナーレ開催準備日程の把握であったが、中之条町長の交代に端を発し、ビエンナーレ開催の是非が検討され、事業内容及び実行委員会の組織改組が行われたうえで開催が決定したのは9月であった。このような経緯があり、平成25年度募集要項の公開が10月となり、前回の日程から4か月の遅れが生じた。これらは単純な遅延ではなく、新たな事業計画の立案から始まるものであり、前年度の日程を踏襲することができなくなった。加えて、実行委員会の改組によって、これまで中心的な役割を担ってきたスタッフの入れ替えや出品作品情報の提供が困難になったことで、独自に出品作家との交渉にあたるなど当初計画からの変更が必要となったことが原因である。
|
Strategy for Future Research Activity |
ビエンナーレ実行委員会及び当該地域の学校、協力作家との連携を進めることで、遅れが生じている授業及び題材案を作成する。適宜、附属学校教員に協力を要請し、実現可能な授業開発に向けた計画案を当該地域の教員に提示するなどの推進を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
中之条ビエンナーレの開催準備が遅れていることにともない、実行委員会との打ち合わせが滞っている。繰り越された金額は中之条町への出張約10回分の旅費である(@¥2400)。平成25年度に滞っている打ち合わせのための旅費に使用する予定である。 その他請求額の利用計画は、全国で開催されるアートプロジェクトにおける教育普及活動の調査旅費及び資料収集、ビエンナーレに参加することで生じる制作資材費用、授業試案のための教材開発費、記録機材、消耗品、専門知識提供者への謝金等に加え、報告書の作成費用などに使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)