2013 Fiscal Year Annual Research Report
地域密着型アートプロジェクトを対象とした鑑賞授業実施の可能性に関する調査研究
Project/Area Number |
23730824
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
喜多村 徹雄 群馬大学, 教育学部, 准教授 (60466688)
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Keywords | 美術教育 / 鑑賞教育 / 現代美術 / アートプロジェクト |
Research Abstract |
美術館等と連携を図ることが学習指導要領に示されて以降、連携が進み、授業開発も行われるようになってきたが、地理的要因によって連携できない地域では成果を享受できない。本研究は、地域で開催されるアートプロジェクトを地域特性、展示作品を地域資源と捉え、これを題材にした鑑賞授業実施の可能性について調査・研究を行うものである。23年度から、群馬県吾妻郡中之条町で2年に一度開催される中之条ビエンナーレを中心に調査を行い、同展への参加・出品を通して具体的な実施計画を把握し、24年度は、収集した情報を分析して25年度の実施計画を作成した。しかし、当該地域の首長交代に伴う運営体制の見直しが行われ、同展の実施計画は大幅に変更、短縮されたため、25年度の研究実施計画を変更せざるをえなくなった。 年度当初に展覧会の実施計画が確定しなかったため、学校連携の授業実施は断念したが、二度目の出品および群馬大学教育学部美術教育講座主催の鑑賞ツアーにおいて自作品を対象とした鑑賞活動、他地域で実施されたアートプロジェクトの教育普及活動との比較から次の成果を得ることができた。 1.地域に題材がある作品を当該地域の生徒が鑑賞することを通して、生徒が生活する地域≒社会を考察(学習)することは可能である。これは、社会で営まれている美術活動の鑑賞によって育まれる今日的な価値と合致しており、美術科で実践する意義がある。2.地域アートプロジェクトを対象とした鑑賞授業の実践においては、運営主体と学校が生徒の学習にとって意義があることを認め、事業および授業として連携することを確認すること。3.教育普及活動が充実しているアートプロジェクトでは、教育普及専門の担当者が一年以上の時間をかけて周知活動およびボランティア育成をおこなっていることから、運営には当初から学校との連携担当者を置き、授業担当者と検討を重ねることが必要である。
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