2012 Fiscal Year Annual Research Report
「文法的な書き誤りにこだわらずに書く」ことの作文指導における意義に関する研究
Project/Area Number |
23730825
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森田 真吾 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10361403)
|
Keywords | 文法教育 / 作文指導 |
Research Abstract |
本研究は、学習者の文章中にみられる「文法的な書き誤り」について、従来の否定的なとらえ方を改め、積極的に作文指導の中に位置づけることの意義を明らかにすることを目的とした。前年度までの研究実績をふまえ、今年度(最終年度)においては、実際の小学生ならびに中学生に「文法的な書き誤り」にこだわらずに文章を書いてもらい、そこにおいて書かれた内容を分析することによって、そうした文章を書く行為の作文指導における有効性を明らかにすることを目指した。 こうした目的で研究を進めていく前提として、まずは「文法的な書き誤り」にこだわらずに文章を書いてもらうための方法を措定すべきと考えた。そこで、本研究においては「プライベートライティング」の手法をベースとしつつ、先行研究・先行実践のなかで採られている方法を参考にして「① 心に思い浮かんだことを思い浮かんだままに書き出す。」「② できるだけ速く、限られた時間で書く。」「③ 考える言葉で、できるだけ長い文章を書く。」「④ 漢字の誤りや文のねじれ・展開の飛躍などを気にしないようにして書く。」の4点を留意点として文章を書いてもらうこととした。 実際に調査を行い、文章の内容を分析した結果、「①『思ったことを書きなさい』では書けない」とよく言われているが、内容にこだわらなければ案外書ける。」「②書かれたものの「文法的な誤り」としては論の飛躍・文末表現の不十分な記述などが多くみられる。」「③書かれたものの内容は、自分のしたいこと・ほしいことなどが中心となっている」などの点が明らかとなり、検討の余地は残されているが、「文法的な書き誤り」にこだわらずに書くことは、書くことの指導における発想支援あるいは構想(下書き)指導への援用可能性を見いだすことができた。
|
Research Products
(4 results)