2011 Fiscal Year Research-status Report
家庭科における持続可能な衣生活と水環境を基軸にしたESDの授業開発
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23730835
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
篠原 陽子 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50335832)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 家庭科 / 水環境 / ESD / 授業開発 |
Research Abstract |
1.洗濯排水の浄化・資源循環利用の検討 中学校,高等学校家庭科で持続可能な衣生活について水環境を基軸にして考えるESDの授業を開発している.本年度は,まず教育内容を開発するために基礎実験を行い,授業試案を作成した.基礎実験では,洗剤に含まれる界面活性剤の循環利用について検討することができた.非イオン界面活性剤を含む洗濯排水をモデルとして,排水中からの(1)除去,(2)回収,(3)再利用が可能であることを実証した.非イオン界面活性剤単独系のモデル実験においては,資源循環利用が可能であった.2.ESDの授業開発 中学校,高等学校の授業では,まず洗濯排水が環境に及ぼす影響を把握する必要があることから,洗濯排水の生分解試験を取り入れる基礎実験を行った.洗剤の使用量を変えて洗浄試験を行い,洗濯排水の生分解を測定した.その結果,使う洗剤の量によって,排出される有機物量は異なり,過剰使用した場合は,生分解率が低下した.洗浄効率は目安量で洗浄した場合とほとんど変化がなかった.これらの結果から,実態データによる環境負荷の把握,洗剤の使用量の意味を科学的に理解することができると考える.また,実験を授業に導入することを想定して,生徒が行う簡易実験を開発した.授業は,この実験を導入し,生徒は自分の生活から,「洗濯」が環境に与える影響を客観的に理解し,資源・環境に配慮した消費生活が必要であることを科学的に理解する教育内容で構成する. 基礎研究の一部を「日本水環境学科誌」に論文発表した.授業開発の一部を「日本家政学会研究発表大会」で発表することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎研究が順調に進んだので,授業内容の開発を終えることができた.授業試案まで出来ている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,開発した授業の実践を行う.授業実践に向けて,授業内容の詳細を検討し,精度を上げる.実践後は,授業分析を行い,評価・改善を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
水環境を基軸にしたESDの授業を開発・実践する.本年度7月にオーストラリアで開催される国際家政学会IFHEに出席し,研究の一部を発表する.国外の環境教育についても情報を得る.そのための旅費とする.また,授業実践を行うので,必要な消耗品を購入する.最後に研究成果を学会誌等に発表するための費用とする.
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Research Products
(3 results)