2012 Fiscal Year Annual Research Report
家庭科における持続可能な衣生活と水環境を基軸にしたESDの授業開発
Project/Area Number |
23730835
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
篠原 陽子 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50335832)
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Keywords | 家庭科 / 水環境 / ESD / 授業開発 |
Research Abstract |
1.研究実績の概要 中学校,高等学校家庭科における持続可能な衣生活について,水環境を基軸にして考えるESDの授業を開発した.本年度は,前年度までの基礎研究の成果をもとに,その一部をIFHE国際家政学会で発表するとともに,持続可能性について取り上げている衣生活領域の研究発表を聴講し,有意義な示唆を得ることができた.また,これまでの研究成果を投稿論文にまとめ,学会誌に発表することができた. 2.ESDの授業開発 中学校,高等学校の授業では,まず洗濯排水が環境に及ぼす影響を把握する必要があることから,洗濯排水の生分解性試験を取り入れる実験教材を開発した.洗剤の使用量を変えて洗浄試験を行い,洗濯排水の生分解を測定した.その結果,使う洗剤の量によって,排出される有機物量は異なり,過剰使用した場合は,生分解率が低下した.一方,洗浄効率は過剰使用しても目安量で洗浄した場合とほとんど変化がなかった.これらのことを授業では,実態データによる環境負荷の把握,洗剤の使用量の意味を科学的に理解することができる.生徒が自分の生活行為である「洗濯」が水環境に与える影響を客観的に認識し,資源・環境に配慮した生活が必要であることを科学的に理解するための教育内容を構成した.研究期間内に中学校あるいは高等学校において授業を実践することが困難であったため,授業の検証ができなかった.授業実践ならびにその検証が今後の課題である.
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