2012 Fiscal Year Annual Research Report
美術科教育と生涯美術社会との接続に関する社会実験研究
Project/Area Number |
23730847
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
竹内 晋平 佛教大学, 教育学部, 講師 (10552804)
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Keywords | 美術科教育 / 生涯学習 / 社会実験研究 |
Research Abstract |
既に実施されている各種調査や先行研究の考察により,「児童の感受の発信による芸術の社会化」を推進する必要があると判断された。これに基づき複数回の予備社会実験を行い,以下のような仮説を得ることができた。 ・図画工作科学習においては,筆に関する技法について指導を受ける際にオノマトペを活用することによって,感受の内容が児童に伝達されやすい。 ・情報発信の場としてのワークショップを開催する場合,対象者の居住地からの距離が隔たっている場合は参加が困難となるが,対象者の小学校区などの生活圏での開催では,一定の参加者数が見込まれる。 ・保護者の立場からは,ワークショップ参加者の募集が小学校の協力によって行われることによって参加しやすくなる。 上記の仮説に基づき,公立小学校(3年生)において図画工作科授業実践を行い,それに関連づけられた親子で参加できるワークショップを開催した。その結果,アーティストを始点として感受の内容をオノマトペの活用によって伝達することの効果,対象者の近隣地域でワークショップを開催することの効果,小学校の協力による広報の効果等を実証することができた。また,‘アーティストから子ども’そして‘子どもから保護者’という感受の内容が伝達される様子を子どもの記述,保護者のアンケート等によって確認することができた。小規模ながら,芸術発信の質を担保できた意義は大きい。 本研究では社会実験を通して,‘子どもが芸術に関する情報を再発信する’‘成人の美術に対する関心の有無に関係なく美術を楽しんでもらう’という点へのプロセスと効果を明らかにするという初期的な目標までは到達できた。今後もアーティストや学校と連携して,量的な供給よりも質的な保証を念頭において「児童の感受の発信による芸術の社会化」を目指した取組を継続する必要がある。
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Research Products
(4 results)