2012 Fiscal Year Annual Research Report
児童生徒が示す行動問題の解決を標的とした教員研修プログラムの開発と効果検討
Project/Area Number |
23730850
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
大久保 賢一 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40510269)
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Keywords | 応用行動分析学 / 行動問題 / 積極的行動支援 / 機能的アセスメント |
Research Abstract |
本研究課題においては学校場面における児童生徒の行動問題の解決を目的とした教員研修プログラムの開発と効果の検証を試みた。 本研究は2部構成であり、平成23年度には第1部として、講義と演習から成る研修プログラムの効果に関わる要素分析を行い、効果的かつ効率的な研修プログラムパッケージの条件について明らかにすることを目的とした。研究参加者は教員養成大学に所属する大学生6名であった。テスト条件において研究参加者は架空事例に対する情報収集を行い、収集した情報に基づいて行動支援計画を立案することが求められた。その後、トレーニング条件とテスト条件の反転を繰り返し、トレーニング条件における各要素の効果を検討したが,結果的に「講義」を実施した後で「演習」を組み合わせた条件において、情報収集と立案された支援計画の妥当性、そして参加者の知識の変容に関して最も研修効果が高かった。 平成24年度は、平成23年度で開発した研修プログラムを実際の事例に適用し、参加教師の知識やスキルの変容ともに、参加教師が担当する児童生徒の行動問題にどのように作用するのかを検討した。研究参加者は特別支援学校の教師1名、小学校特別支援学級の教師1名、そして幼稚園の教師2名であった。結果として、教師の行動支援に関わる知識や支援計画に関わる情報収集と計画立案のスキルに第1部と同様の改善がみられ、研修プログラムの効果を追試することができた。さらに、実際の学校場面における対象児の行動問題にも改善がみられ、本研究課題で検討した教員研修プログラムが参加教師の知識やスキルのみではなく、実際の対象事例の行動変容にまで効果を及ぼすことが確認された。
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