2011 Fiscal Year Research-status Report
超短時間就労を通じた就労困難な発達障害者への教育・社会参加支援法の開発
Project/Area Number |
23730855
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Research Institution | Graduate School of Health Care Science, Jikei Institute |
Principal Investigator |
岡 耕平 滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 助教 (90466863)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 発達障害 / 障害者雇用 / 支援技術 / 合理的配慮 |
Research Abstract |
本研究の核となる発達障害者を対象とした超短時間雇用を実施するためインフラ作りに注力した.新設大学院初年度のため,超短時間雇用を実施するための規定や基準がなく,その作成に時間を要した.組織の対応として問題になったことは,労務管理,安全管理,倫理,の問題であった.現在も未解決の部分も有り,次年度以降に対応する. 続いて超短時間雇用参加者の募集を実施した.ゼロからのインフラ作りのため,研究参加希望の障害当事者を集めるのに時間を要した.発達障害当事者3名,発達障害同様の認知的困難のある高次脳機能障害者1名の計4名が参加した.超短時間雇用による教育活動の効果を検討するため,以下の項目をアセスメントした.これは次年度以降,定期的に同様の項目を測定し,研究参加前後で比較する.1)就業に関する困り感の程度(本人側および環境側の要因の聞き取り),2)WAIS-IIIによる認知特性の把握,3)支援技術及び,合理的配慮としての環境調整の有無による,働きやすさの違い,4)コミュニケーション能力に関係する困り感,5)特性的自己効力感,を確認した. 以上の聞き取りや認知機能検査,パイロットスタディー的に取得した作業状況のデータを元に,日本特殊教育学会,通信情報工学研究会,日本職業リハビリテーション学会,関西心理学会にて4件の発表を行った. インフラ整備に時間を要し,研究の遂行が計画より遅れたため,次年度以降に挽回したい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度より,所属機関を変更した.そのため,研究インフラの整備にまず時間を要してしまった.また,本研究は障害者雇用をテーマとしているが,所属機関が完答から関西に変わったため,まず研究対象フィールドの開拓と関係性の構築に時間がかかってしまった.また,現所属機関が新設初年度で有り,研究のために必要な研究倫理委員会が設立されておらず,その設立と研究倫理審査に時間がかかった.以上より,研究の遂行が遅れているため,次年度以降の研究推進を急ぐ.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では障害当事者を超短時間雇用することがその手続きとして実施する必要がある.本年は「最初は研究関連で取り組む軽作業が少なかったこと」「所属組織の規定が不十分で,人件費の支出ができなかったこと」が課題として残った.そのため,当初計画していたよりも人件費の支出が大幅に少なくなり,結果として研究費の使用が少なかった.現状として問題は解決しつつあり,次年度からようやく当初の計画通りに遂行できる見込みである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の通り,これまで使用できなかった人件費がようやく計上できるため,当初,初年度に計画していた研究を遅れて遂行する.研究の遅れによっては,3年間の研究計画を1年延長することも検討している.
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