2011 Fiscal Year Research-status Report
盲ろうおよび感覚障害を有する重複障害児の共同注意に関する実践的研究
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23730859
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 保和 群馬大学, 教育学部, 准教授 (60467131)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 盲ろう |
Research Abstract |
盲ろうおよび感覚障害を有する重複障害児に対する教育実践を実施し、ビデオ映像記録を収集した(一次資料の収集)。一次資料をもとにしたエピソード記述を作成し(二次資料の作成)、相互交渉の成立・展開について、共同注意の観点から分析を行った。記述の観点においては、これまでの研究で明らかになった操作的定義(中村,2007)を用いることとした。さらに、近年、先天性盲ろう児を対象としたコミュニケーション研究で提出された新たな概念である「共創コミュニケーション」の視点から、エピソード記述を作成し、この新たな概念と共同注意を関連づけながら、対象児との相互交渉の成立・展開の分析を試みた。分析の方法としては、申請者の教育実践を記録したビデオ映像を申請者自身が何度も繰り返し視聴しながら、エピソード記述を作成し、エピソード(質的データ)のコーディングやカテゴライズなどを行った。今回の分析は申請者のみで行ったが、今後、研究協力者との共同視聴を実施しながら、論文化にともなう分析対象場面の選定およびエピソード記述作成、質的データのコーディング等を行い、こうした研究協議を通して研究を進めていく予定である。また、本研究に精通した研究者との協議を行ったり、アドバイスを仰ぐなどして論文化へのつなげる予定である。最後に、上記した「共創コミュニケーション」については、本年度にやおいて本研究分野に精通した研究者とともに、海外文献の検討および研究協議を定期的に行った。そこでの研究成果は、第49回特殊日本特殊教育学会(弘前大学)での自主シンポジウムにおいて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象児に対する教育実践が順調に行われており、ビデオ映像資料(一次資料)の収集が予定通り行われているため。
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Strategy for Future Research Activity |
対象児(者)らへの教育実践を継続するとともに、相互交渉の成立・展開について、共同注意の観点から引き続き分析を行う。分析については、研究協力者との共同視聴を定期的に行い、論文化にともなう分析対象場面の選定およびエピソード記述作成のための討議を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・最新の知見および情報の収集のための各種学会・研究会への参加(参加費・旅費)。・研究成果の発表のための各種学会・研究会への参加(参加費・旅費)。・対象児への教育実践に際しての教材・教具の購入。・購入依頼した物品がメーカーによるリコール対象商品となったことから、急遽(年度末 に)購入が中止となった。以上の理由により、購入予定金額分が次年度へ繰り越され た。
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