2013 Fiscal Year Annual Research Report
盲ろうおよび感覚障害を有する重複障害児の共同注意に関する実践的研究
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23730859
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 保和 群馬大学, 教育学部, 准教授 (60467131)
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Keywords | 盲ろう / 重複障害 / 実践的研究 / 共同注意 |
Research Abstract |
平成23、24年度と同様に、対象児(者)らへの教育実践を継続するとともに、相互交渉の成立・展開について、共同注意の観点から引き続き分析を行った。分析については、研究協力者との共同視聴を定期的に行い、学会発表および論文化にともなう分析対象場面の選定およびエピソード記述作成を行った。 本年度においては、知的障害を併せ有する弱視児を対象にした実践研究の中で、「注意の分配」に焦点を当てた共同注意行動の様相について分析を行った。本児は、玩具や遊具などのいわゆる「モノ」に対しては接近行動を示し、また、係わり手に対しては抱っこやおんぶなどの身体接触を求めるような「ヒト」への接近行動を示した。しかしながら、「モノ」への接近には固定的で、玩具を目の前で振ったり口元に当てたりすることが多く、係わり手と「モノ」を介して係わり合うような三項間のやりとりへとなかなか発展していかなった。そこで、対象児の興味・関心の高い玩具を用いて働きかけつつ、対象児の注意が「モノ」と「ヒト(係わり手)」に分配されるような状況作りを行った。こうした実践経過をビデオカメラで記録し、その映像記録を元にマイクロ分析を行い、三項間のやりとりが成立するための注意の分配行動の様相を明らかにした。 こうした実践データを昨年度、一昨年度に分析した盲ろう児および重複障害児に対する教育実践と比較および検討することを通して、本研究課題の総括を行った。
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