2011 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム障害におけるソーシャルブレイン障害の解明と療育方法の開発
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23730864
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
菊池 哲平 熊本大学, 教育学部, 准教授 (70515460)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / ソーシャルブレイン / 発達障害 / 自己理解 |
Research Abstract |
本年度は実験研究として、自閉症幼児における遅延自己像の理解に関する実験研究、並びに自閉症を含む発達障害児の障害の自己理解並びにカミングアウトの実態について、学校教員を対象とした大規模調査を行った。さらに社会性の発達を促すためのグループプレイセラピーの実施及び個別でのカウンセリング的関わりなど、臨床的研究もスタートさせた。その中で自閉症スペクトラム障害における自己理解の特性と、それに起因するコミュニケーション障害に対する介入方法についても新たな知見が得られた。特に遅延自己像の理解については、定型発達児と異なり、自閉症児はマークテストの成績が他の条件(例えば遅延無しの鏡像理解)と比べて有意な差がみられないという特徴が見いだされた。またカミングアウトの実態については、対象となった多くの学校教員が周囲の児童との関係作りのために、クラス全体の児童に対して何らかの発達障害に関する説明を行っていることが明らかになった。またグループプレイセラピーにおいては、協力小学校との連携で各種のソーシャルゲーム(対人的関わりが必要となるゲーム)を行うことで、発達障害児(特にアスペルガー障害児)が周囲の児童との関係作りや、自尊心・自己効力感の向上を図ることができることが示唆された。またカウンセリング的関わりについては、アスペルガー障害児を対象に情緒的なつながりを形成することを目的として実施し、その結果を数量的に現す試みを検討している。上述した研究知見は、平成24年度に関連学会などにて報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の計画時点で計画していた実験研究、調査研究、臨床実践研究について順調に開始することができており、現段階での結果についても概ね満足する結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた知見をもとに、実験研究については他の変数を導入して実施する予定である。また臨床実践研究についても、フィールドを拡大しつつ長期間にわたって事例の変容を検討していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
若干の未使用額が残ったものの概ね計画通りに研究費は使用しており、特に当初の予定と変更する予定はない。
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Research Products
(5 results)